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手すりの高さの決め方廊下・階段・玄関・トイレの目安と、自分で測る方法

監修:運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任
公開日:2026年9月13日/最終確認日:2026年9月13日

「手すりは床から80cm」とよく書かれていますが、これは多くの人に合わせた平均的な目安です。家の手すりは使う人が決まっているので、その人の体に合わせて高さを決めると、ぐっと使いやすくなります。

この記事では、場所ごとの高さと位置の目安と、ご家族でもできる測り方をまとめました。

この記事のポイント
  • 廊下・階段の手すり(横手すり)は、腕を下ろしたときの手首の高さが目安。床から75〜85cm前後になることが多い
  • トイレや玄関で立ち座り・段差に使う手すり(縦手すり)は、肘を90度に曲げた手の高さから、肩の高さまでの範囲が握りやすい
  • トイレの縦手すりは、便座に座って腕を前に伸ばした指先のあたり(便器の先端から20〜30cm前)が目安
  • 付ける前に、ご本人に実際に手を添えてもらって確かめると失敗しにくい

1. 手すりの高さは「使う人」に合わせる

駅や病院などの手すりは、誰が使うかわからないため、平均的な高さで付けられています。一方、家の手すりは使う人が決まっているので、その人にぴったりの高さにすることができます。

高すぎる手すりは肩がすくんで力が入りにくく、低すぎる手すりは前かがみになって、かえってバランスを崩しやすくなります。とくに高齢の方は、背中や腰が丸くなって、若いころの身長から考えるより手の位置が低くなっていることがよくあります。身長から計算するより、今の姿勢で実際に測るのがおすすめです。

2. 廊下・階段の手すり(横手すり)

廊下や階段の手すりは、手を添えたり、滑らせたりしながら歩くために使います。

測り方

  1. ふだん家の中で履いている靴下やスリッパのまま、壁の横に立ちます。腰が曲がっている方は、無理に背筋を伸ばさず、ふだん歩くときの姿勢で大丈夫です。
  2. 腕の力を抜いて、自然に下ろします。
  3. 床から、手首の骨の出っ張り(手のひらと腕の境目あたり)までの高さを測ります。

この高さは、脚の付け根の外側にある骨の出っ張り(大転子)の高さとほぼ同じで、多くの方で床から75〜85cm前後になります。

廊下の手すりの高さの目安 壁の横にまっすぐ立ち、腕を下ろした高齢の女性を横から見た図。壁の手すりは、脚の付け根の外側にある骨の出っ張り(大転子)と同じ高さにあり、床からの高さは75〜85cm。 大転子 大転子と同じ高さ 床から 75〜85cm
廊下の手すりの高さの目安(横から見た図)

目安から少し調整したいとき

階段の場合

階段の手すりの高さの目安 階段の途中に立つ高齢の女性を横から見た図。壁の手すりは階段の傾きと平行で、段の先端から手首までの高さにある。手すりの上と下の端は、水平に延ばしてある。 段の先端から 手首の高さ 70〜90cm 階段の傾きと平行 端は水平に 延ばす
階段の手すりの高さの目安(横から見た図)。70〜90cmは、国の指針で示されている段の先端からの高さです

3. トイレ・玄関の手すり(縦手すり)

立ち上がるとき、座るとき、段差を上り下りするときは、手すりを「引き寄せる」「押して支える」ように使います。このとき力を入れやすいのは縦の手すりです。手首をまっすぐにしたまま握れるためです。

高さ(握る範囲)

縦手すりで握りやすいのは、肘を90度に曲げたときの手の高さから、肩の高さまでの範囲です。この範囲がしっかり握れるよう、縦に十分な長さのある手すりを選ぶと、立ち上がりの途中で握り替えやすくなります。

トイレ

トイレの縦手すりの位置の目安 洋式トイレに座った高齢の女性を横から見た図。腕を前にまっすぐ伸ばしたときの指先のあたりに、縦手すりがある。 腕を伸ばした 指先のあたり 縦手すり
トイレの縦手すりの位置の目安(横から見た図)。一般的には便器の先端から20〜30cm前になることが多いです

左右どちらに付けるか(麻痺がある場合の考え方)、L字型・可動式などの種類の選び方、ズボンの上げ下ろしのときの使い方は、記事「トイレの手すりの付け方」で詳しくまとめています。

玄関

玄関の縦手すりの位置と長さの目安 玄関の土間に立つ高齢の女性を横から見た図。上がりかまちの端の上に縦手すりがある。土間に立ったときに握りやすい範囲(肘の高さから肩の高さ)と、床に上がったときに握りやすい範囲(段差の分だけ上)の両方に届く長さになっている。 床に上がって 握りやすい範囲 土間に立って 握りやすい範囲
玄関の縦手すりの位置と長さの目安(横から見た図)。握りやすい範囲は「肘を90度に曲げた高さから肩の高さ」で、床に上がると段差の分だけ上にずれます

4. 付ける前に確かめておきたいこと

麻痺や強い痛みがある方、ふらつきが強い方は、平均的な目安がそのまま合わないことがあります。リハビリの専門職(理学療法士・作業療法士)や福祉用具専門相談員に、実際の動作を見てもらって決めるのがおすすめです。

5. 介護保険を使って手すりを付けるには

関連ツール 住宅改修と福祉用具の費用 困りごとから、手すりの工事・レンタル・購入の自己負担の目安がわかります。

出典・参考にした資料

この記事は一般的な目安をまとめたものです。実際の高さや位置は、ご本人の体の状態や家の造りによって変わります。