介護の住宅改修と福祉用具
何をどう直す?いくらかかる?
ご本人の様子と、家の中で困っている場面を選んでください。工事で直す方法(🔧家屋改修)と、工事をせずレンタル・購入で対応する方法(📦福祉用具)を、それぞれ選んで費用の目安を出せます。
監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)
1. ご本人の様子
家の中での移動「右手だけ」「左手だけ」を選ぶと、手すりをどちら側の壁に付けるかの目安が変わります。
介護保険の自己負担割合わからなければ1割のままで大丈夫です。介護保険負担割合証に書かれています。
2. 困っている場面
当てはまるものをすべて選んでください。
玄関
廊下・階段
トイレ
浴室
寝室
3. 考えられる対応
🔧家屋改修(工事)と📦福祉用具(レンタル・購入、工事なし)は、それぞれ別に選べます。両方選んでも、どちらか一方だけでもかまいません。迷った項目には目印を付けています。📦の金額は「介護保険を使わない場合の料金」と「介護保険を使った場合の自己負担(1〜3割)」を並べて表示しています。上の「自己負担割合」を変えると、自己負担の金額も変わります。
4. 費用の目安(🔧📦それぞれ)
🔧 家屋改修の費用
原則は「償還払い」で、いったん工事費の全額を支払い、あとで保険分が戻ります。市区町村によっては、最初から自己負担分だけを支払う「受領委任払い」も選べます。これまでに住宅改修を使っていない前提で、実際の金額は住宅の造りで変わります。
📦 レンタル(貸与)の費用
使い続ける間は毎月かかります。住宅改修(20万円)や購入(年10万円)のような専用の枠はなく、デイサービスなどと同じ、介護保険の月々の上限(区分支給限度基準額)の中で使います。
📦 購入(特定福祉用具)の費用
補高便座やシャワーチェアなどは購入品です。住宅改修と同じく、原則はいったん全額を支払い、あとで保険分が戻ります。年度内(4月〜翌3月)で使った合計が10万円までが対象で、これまでに使っていない前提で計算しています。
5. 次にやること
- 担当のケアマネジャー(いなければ地域包括支援センター)に相談します。🔧と📦のどちらも、ケアプランに沿って進めます。
- ご本人が実際に動く様子を見ながら、場所・高さ・機能を一緒に決めます。
- 🔧家屋改修は、工事の前に市区町村へ申請するのが決まりです。やむを得ない事情がある場合を除き、工事のあとで申請しても支給されないことがあります。
- 📦レンタルは、福祉用具専門相談員が自宅を見て、実際の商品と金額を提示します。ここでの金額は目安です。
- 📦購入は、指定を受けた事業所から買い、購入後に市区町村へ申請するのが基本です(いったん全額を払い、あとで自己負担分を除いた額が戻ります)。市区町村によっては、事前の申請が必要だったり、はじめから自己負担分だけを払う方法があったりするので、ケアマネジャーに確認しておくと安心です。
工事をせずに使える、主な福祉用具(レンタル)
介護保険でレンタルできる福祉用具の例です。金額は一般的な目安で、実際の商品と金額は、福祉用具専門相談員が自宅の様子を見て提示します。
据置型手すり
広い土台を床に置くだけで使える手すりです。支柱の高さを調整できるものが多く、ベッドからの立ち上がりや、玄関・廊下など、必要な場所に置けます。
1割負担で月200〜600円
(レンタル料 月2,000〜6,000円程度)
据置型手すり(トイレ用)
便器の左右に置く、肘掛けのような手すりです。壁や床に工事をせずに、便座からの立ち上がりや座る動作を支えます。
1割負担で月200〜600円
(レンタル料 月2,000〜6,000円程度)
屋外用の据置型手すり
玄関先の階段などに置いて使う手すりです。コンクリートに穴を開けずに設置できます。
1割負担で月300〜800円
(レンタル料 月3,000〜8,000円程度)
段差解消スロープ
敷居などの小さな段差に置いて、なだらかにする板です。つまずきを防ぎ、歩行器や車いすも通りやすくなります。固定用スロープは、2024年4月からレンタルと購入を選べます。
1割負担で月50〜200円
(敷居用の小さなもの。レンタル料 月500〜2,000円程度)
介護ベッド
電動で背中の角度やベッドの高さを変えられるベッドです。起き上がりや立ち上がり、介助するご家族の負担を軽くします。原則として要介護2以上の方が対象です(要支援・要介護1でも、医師の意見などにより認められる場合があります)。
1割負担で月500〜1,300円
(機能によって変わり、マットレスなどは別。レンタル料 月5,000〜13,000円程度)
介助バー
介護ベッドの頭側の側面にある穴に、2本のピンを差し込んで取り付ける手すりです。先端側を外に開くと、ベッドの端に座った状態から立ち上がるときの支えになります。介護ベッドと同じく、原則として要介護2以上の方が対象です。
1割負担で月150〜200円
(レンタル料 月1,500〜2,000円程度)
よくある質問
工事をしてから申請しても、介護保険は使えますか?
使えません。住宅改修は、工事の前に市区町村へ申請する必要があり、先に工事を済ませてしまうと、原則として保険の対象になりません。まずケアマネジャー(いなければ地域包括支援センター)に相談し、「住宅改修が必要な理由書」を作ってもらうところから始めます。相談先の違いは、記事「地域包括支援センターと居宅介護支援事業所の違い」でまとめています。
20万円の枠は、一度に使い切らないといけませんか?
いいえ。20万円の範囲内なら、何回かに分けて使えます。たとえば、今回は玄関の手すりだけ、残りは後で浴室に、という使い方ができます。また、要介護度が3段階以上重くなった場合(1回限り)や、転居した場合は、改めて20万円の枠が使えます。
賃貸住宅でも、住宅改修はできますか?
できます。ただし、家の所有者(大家さんなど)の承諾書が必要です。退去するときに元に戻す必要があるかも、あわせて確認しておくと安心です。工事をしたくない場合は、置くだけの手すりなど、📦レンタルで対応する方法もあります。
工事費は、あとから戻ってくるのですか?
原則は「償還払い」といって、いったん工事費の全額を支払い、あとから保険給付分(7〜9割)が戻ってきます。市区町村によっては、最初から自己負担分(1〜3割)だけを支払えばよい「受領委任払い」も選べます(市区町村に登録された業者に頼んだ場合に限られます)。
廊下の手すりは、どのくらいの高さ・太さがよいですか?(理学療法士の視点から)
高さ:脚の付け根の外側にある骨の出っ張り(大転子)の高さが目安で、床から75〜85cm程度になることが多いです。壁の横でまっすぐ立ち、腕を自然に下ろしたときの手首の高さも、ほぼ同じ目安になります。高すぎると肩や腕に余分な力がかかり、低すぎると前かがみになってバランスを崩しやすくなります。
太さ:一般的には直径32〜45mm程度で、細めのものはしっかり握りやすく、太めのものは軽く握って手を滑らせやすい特徴があります。トイレや浴室のように握って体を支える場所は細め(直径32〜35mm程度)、廊下や階段のように手を滑らせながら伝い歩きをする場所はやや太めが目安です。手の大きさや握力でも合う太さは変わります。
実際に合う高さや太さは、ご本人の体格、杖を使うかどうか、手の握りやすさなどで変わります。取り付ける前にご本人に実際に手を添えてもらい、専門職と一緒に確認するのがおすすめです。
階段・玄関・トイレの手すりの高さや位置、ご家族でもできる測り方は、記事「手すりの高さの決め方」で詳しくまとめています。
手すりは、工事で付けるのとレンタルするのと、どちらがいいですか?(理学療法士の視点から)
体の状態がまだ変わりそうな時期(退院直後など)は、置くだけで位置を変えられるレンタルの手すりから試す方法があります。使ってみて場所と高さが決まってから工事をすれば、「付けたけれど使いにくい」という失敗を防げます。一方、毎日必ず使う場所で状態が落ち着いている場合は、工事で付けた方がしっかり体重をかけられ、月々のレンタル料もかかりません。
あわせて確認したいこと
ケアマネジャーへの相談メモ
選んだ内容をまとめました。相談のときに見せたり、送ったりできます。家の間取りや、手すりを付けたい場所を図で伝えたいときは、かんたん間取り図メーカー(無料)も使えます。
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