やまねこのリハビリ・介護手帖理学療法士がひもとく、家族の安心と現場の実践ツール

退院前後の
準備カレンダー

回復期リハビリ病棟からの退院日は、入院日数の上限そのものより、退院支援の進み具合で決まることがほとんどです。まだ具体的な退院日が決まっていない段階では下のチェックリストを、退院日が決まったら逆算スケジュールを使うのがおすすめです。退院してから気をつけたいことも、チェックリストの最後にまとめています。

監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任) 対象:ご本人・ご家族、ケアマネジャー・相談員の方

1. 入院中から退院後までの準備チェックリスト

退院日がまだ決まっていなくても、今の時期にできることがあります。当てはまるものにチェックを付けてください。

入院してすぐ(入院後1〜2週間ごろまでの目安)

入院中盤(リハビリが軌道に乗ってきたら)

退院が近づいたら

退院してから(退院後1〜3か月ごろまでの目安)

病院と自宅では環境が変わるため、入院中にできていた動作が、家ではうまくいかないこともあります。退院後しばらくは、生活の様子を見ながら少しずつ調整していく時期です。

2. 退院予定日からの逆算スケジュール

病棟から退院(予定)日が伝えられたら、ここに入れてください。退院後の目安もあわせて表示します。まだの場合は、上のチェックリストを使いながらお待ちください。

よくある質問

回復期リハビリテーション病棟には、いつまで入院できますか?

病気やけがの種類ごとに、上限の日数が決まっています(回復期リハビリテーション病棟に入院した日から数えます)。

ただし、実際の退院日は上限よりずっと早いことがほとんどで、リハビリの進み具合や、自宅の準備の状況で決まります。上限を「そこまで入院していられる日数」と考えず、入院の早い時期から退院の準備を進めるのが大切です。具体的な日付は、下の「参考:制度上の最長期限」で計算できます。実際の退院時期の決まり方は、記事「回復期リハビリテーション病棟とは」で、退院後に医療保険のリハビリの日数上限を過ぎた場合は「リハビリの日数上限を過ぎたらどうなる?」でまとめています。

「家屋調査(退院前の自宅訪問)」とは何ですか?(理学療法士の視点から)

退院の前に、病院の理学療法士・作業療法士などがご自宅を訪問し、玄関・廊下・トイレ・浴室などで、ご本人が実際にどう動けるかを確認するものです。手すりの位置や段差の解消、福祉用具の選び方などを具体的に助言します。ケアマネジャーや福祉用具・住宅改修の業者が同席すると、その場で話が進みやすくなります。すべての病院・すべての方に行われるわけではないので、希望がある場合は、早めに病棟スタッフに伝えておくのがおすすめです。事前に用意しておくと役立つものや当日の流れは、記事「退院前の家屋調査とは?」で詳しくまとめています。

介護認定の結果が出る前に、サービスを使い始められますか?

使える場合があります。要介護認定の効力は申請した日にさかのぼるため、ケアマネジャーに「暫定ケアプラン」を作ってもらえば、結果を待たずにサービスを始められます。ただし、結果が「非該当(自立)」だった場合は利用料が全額自己負担になり、想定より軽い要介護度だった場合は、上限を超えた分が自己負担になります。どのくらい使うかは、ケアマネジャーとよく相談して決めると安心です。

退院日が急に決まってしまいました。何から始めればいいですか?

まず病院の相談員(医療ソーシャルワーカー)に、①介護認定の申請状況、②ケアマネジャーが決まっているか、③自宅で心配な場所、の3点を伝えるところから始めるのがおすすめです。ケアマネジャーや地域包括支援センターの役割は、記事「地域包括支援センターと居宅介護支援事業所の違い」でまとめています。そのうえで、このページの逆算スケジュールに退院日を入れると、優先順位が見えてきます。住宅改修の工事が間に合わない場合は、福祉用具のレンタルで一時的に対応する方法もあります。

自宅に戻るのは難しいと言われました。退院先にはどんな施設がありますか?

リハビリを続けて自宅に戻ることを目指す「介護老人保健施設(老健)」、長く暮らす場所としての「特別養護老人ホーム(特養)」、医療的なケアが続く人の「介護医療院」、有料老人ホームなどがあります。それぞれの違いと選び方は、記事「退院先の介護施設の種類」でまとめています。まずは病院の相談員に、「施設も考えている」と早めに伝えておくのがおすすめです。

参考:制度上の最長期限(医療保険リハの算定日数上限)を計算する

実際の退院日はこれより早いのがほとんどですが、医事担当との確認や、退院が長引いた場合の目安として使えます。

相談・引き継ぎ用メモ

チェックした内容と、逆算スケジュールをまとめました。ケアマネジャーや、退院前カンファレンスの資料に使えます。カンファレンスで聞いておきたいことは、記事「退院前カンファレンスで家族が聞いておくこと」の質問リストも参考になります。