リハビリの計算ツールと
カットオフ値
リハビリの専門職向けに、よく使う評価の数値を入れるだけで計算できるツールです。あわせて、フレイル・サルコペニア・転倒予防のガイドライン・疾患別の研究などのカットオフ値を、出典付きで一覧にまとめています。測り方の要点も載せています。
監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)
対象:理学療法士・作業療法士などのリハビリ職、養成校の学生
ツールの一覧
- 10m歩行テストの計算とカットオフ値時間と歩数から歩行速度・歩幅・歩行率を計算。フレイル・サルコペニア・転倒予防・脳卒中のカットオフ値、年代別の平均、変化の目安(MCID)も一覧に
- TUGの判定とカットオフ値秒数を入れると、運動器不安定症の11秒、転倒予測の13.5秒、国際ガイドラインの15秒などとの関係と、年代別の平均を表示
- BBS(FBS・バーグバランススケール)の判定とカットオフ値A4の評価用紙(PDF)をダウンロードできます。合計点を入れると、45〜51点のカットオフ値との関係と、前回との差が測定誤差を超えるかを表示。14項目から合計も計算
- 30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)のカットオフ値と年齢別の基準値A4の記録用紙(PDF)をダウンロードできます。回数と年齢・性別を入れると、年代別の目安(CDC)、日本の外来高齢者の5段階、サルコペニアのカットオフ値との関係を表示
- FRT(ファンクショナルリーチテスト)の判定とカットオフ値A4の記録用紙(PDF)をダウンロードできます。距離(cm)を入れると、再転倒との関係(約15cm以下・約25cm未満)と、地域・施設の高齢者の平均との差を表示
- SPPBの点数とカットオフ値A4の記録用紙(PDF)をダウンロードできます。バランス・4m歩行・5回椅子立ち上がりの点(秒数)から合計12点を出し、サルコペニアの基準(9点以下・8点以下)と、死亡・移動障害との関係を表示
- ロコモ度テストの判定(ロコモ度1・2・3)A4の記録用紙(PDF)をダウンロードできます。立ち上がりテスト・2ステップテスト(歩幅と身長から自動計算)・ロコモ25の結果から、ロコモ度1・2・3を判定
- バーセルインデックス(Barthel Index)の点数表と記録用紙10項目を選ぶと合計点(100点満点)を計算。基準の文、採点の原則、85点以下の意味、mRSとの対応、A4の記録用紙(PDF)つき
- 片脚立位(開眼片足立ち)の基準値と判定A4の記録用紙(PDF)をダウンロードできます。秒数を入れると、運動器不安定症の15秒、けがを伴う転倒との関係の5秒、65歳以上の年代別の5段階の目安との位置を表示
- 握力の判定とカットオフ値サルコペニア(AWGS 2019・2025)、フレイル(J-CHS)、EWGSOP2の基準値と比べる
- サルコペニアの判定とカットオフ値握力・歩行速度・5回椅子立ち上がり・下腿周囲長・骨格筋指数から、AWGS 2019の判定。2025年版の変更点も
- フレイルの判定(J-CHS 2020)5項目のチェックで、フレイル・プレフレイル・ロバストを判定
- 6分間歩行テストの計算とカットオフ値予測値・%予測値(Enrightらの式)、最小重要差30m、BODE指数の区分、心不全の300m
カットオフ値を使うときに気をつけていること
同じ数字でも、出どころによって意味が違います
AWGSは Asian Working Group for Sarcopenia(アジアサルコペニアワーキンググループ)、J-CHSは日本版CHS基準の略です。AWGSは、欧米の基準がアジアの高齢者の体格に合わないことから、アジア各国の研究者が集まって基準を作った作業部会です(くわしくはサルコペニアのページ)。
歩行速度1.0m/秒という値は、サルコペニア(AWGS 2019)では身体機能の低下の基準として使われ、フレイル(J-CHS 2020)でも同じ1.0m/秒が採用されています。一方で、地域で暮らせるかどうかの目安として0.8m/秒や、横断歩道を渡りきる目安として1.0m/秒が語られることもあります。同じ数字でも、何を予測するために作られた値なのかが違います。
そのため各ページでは、値だけを並べるのではなく、どの研究・指針の、何を判定するための値かを出典とあわせて載せています。
測り方が違えば、比べられません
歩行速度は、助走をつけるかどうか、何mを測るか、杖を使うかどうかで値が変わります。握力は、立って測るか座って測るか、握り幅が合っているかで変わります。研究のカットオフ値と比べるときは、その研究と同じ方法で測れているかを確かめる必要があります。各ページに「測り方の要点」を載せているのはこのためです。
一度の値より、経過のほうが役に立ちます
カットオフ値を下回ったかどうかは、状態を大まかに位置づけるには便利ですが、日によっても変わります。同じ方法で繰り返し測り、変化の向きを見るほうが、臨床では判断の助けになります。変化をどこから意味があると見るかについては、10m歩行テストのページに最小重要差(MCID)の目安を載せています。
判定は、働きかける先を決めるためのものです
「フレイルです」「サルコペニアです」と結果だけを伝えても、次の行動にはつながりません。どの項目が基準を下回ったのか、その項目に対して何ができるのかまで整理して、はじめて評価が意味を持ちます。ツールの結果画面に記録用のメモを用意しているのは、そのまま記録や申し送りに使えるようにするためです。
ホーム画面に追加すると、すぐ開けます
測定の場面では、スマホのホーム画面からすぐ開けると便利です。
- iPhone(Safari):下の共有ボタン →「ホーム画面に追加」
- Android(Chrome):右上のメニュー →「ホーム画面に追加」または「アプリをインストール」
使うときの注意
- 計算結果や基準値は一般的な目安で、診断や運動の可否を判断するものではありません。
- 基準値は、研究や指針によって対象者や測り方が違います。同じ方法で測った結果を比べて、経過をみるのに向いています。
- 評価を行うときは、転ばないようにすぐ支えられる位置で付き添うなど、安全を優先します。
- 入力した数値は、お使いの端末の中だけで計算され、外部には送信されません。