やまねこのリハビリ・介護手帖理学療法士がひもとく、家族の安心と現場の実践ツール

リハビリの計算ツールと
カットオフ値

リハビリの専門職向けに、よく使う評価の数値を入れるだけで計算できるツールです。あわせて、フレイル・サルコペニア・転倒予防のガイドライン・疾患別の研究などのカットオフ値を、出典付きで一覧にまとめています。測り方の要点も載せています。

監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)

対象:理学療法士・作業療法士などのリハビリ職、養成校の学生

ツールの一覧

カットオフ値を使うときに気をつけていること

同じ数字でも、出どころによって意味が違います

AWGSは Asian Working Group for Sarcopenia(アジアサルコペニアワーキンググループ)、J-CHSは日本版CHS基準の略です。AWGSは、欧米の基準がアジアの高齢者の体格に合わないことから、アジア各国の研究者が集まって基準を作った作業部会です(くわしくはサルコペニアのページ)。

歩行速度1.0m/秒という値は、サルコペニア(AWGS 2019)では身体機能の低下の基準として使われ、フレイル(J-CHS 2020)でも同じ1.0m/秒が採用されています。一方で、地域で暮らせるかどうかの目安として0.8m/秒や、横断歩道を渡りきる目安として1.0m/秒が語られることもあります。同じ数字でも、何を予測するために作られた値なのかが違います。

そのため各ページでは、値だけを並べるのではなく、どの研究・指針の、何を判定するための値かを出典とあわせて載せています。

測り方が違えば、比べられません

歩行速度は、助走をつけるかどうか、何mを測るか、杖を使うかどうかで値が変わります。握力は、立って測るか座って測るか、握り幅が合っているかで変わります。研究のカットオフ値と比べるときは、その研究と同じ方法で測れているかを確かめる必要があります。各ページに「測り方の要点」を載せているのはこのためです。

一度の値より、経過のほうが役に立ちます

カットオフ値を下回ったかどうかは、状態を大まかに位置づけるには便利ですが、日によっても変わります。同じ方法で繰り返し測り、変化の向きを見るほうが、臨床では判断の助けになります。変化をどこから意味があると見るかについては、10m歩行テストのページに最小重要差(MCID)の目安を載せています。

判定は、働きかける先を決めるためのものです

「フレイルです」「サルコペニアです」と結果だけを伝えても、次の行動にはつながりません。どの項目が基準を下回ったのか、その項目に対して何ができるのかまで整理して、はじめて評価が意味を持ちます。ツールの結果画面に記録用のメモを用意しているのは、そのまま記録や申し送りに使えるようにするためです。

ホーム画面に追加すると、すぐ開けます

測定の場面では、スマホのホーム画面からすぐ開けると便利です。

使うときの注意