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訪問看護のリハ職(理学療法士等)の訪問は、令和9年度改定でどうなる?いまの8単位減算の要件、Q&Aで示された数え方、2026年10月の分科会で示された見直しの論点

監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)
公開日:2026年10月24日/最終確認日:2026年10月24日/出典(10件)

訪問看護ステーションの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(以下、理学療法士等)による訪問は、令和6年度の介護報酬改定で、事業所の訪問の実績と加算の算定の状況によって、1回8単位の減算が入りました。令和9年度の改定に向けて、2026年10月19日の介護給付費分科会では、さらに「サービスの提供体制や実績等を踏まえた評価の見直し」が対応案として示されています。

訪問看護ステーションで働くリハビリ職と管理者に向けて、いまの決まりと、国が示した解釈、議論中の点を、原文の場所をそえて分けて整理します。

このページの見方
  • 決まり告示・留意事項通知に書いてあること
  • 国の解釈厚生労働省のQ&Aで答えが示されていること
  • 議論中審議会の資料に出た論点。まだ決まっていません
  • 確かめ先Q&Aで答えが出ていないこと。指定を受けた自治体(都道府県・指定都市・中核市)に確かめるのがおすすめです
理学療法士等の訪問の減算8単位1回につき・令和6年度から
訪問看護の訪問回数のうち理学療法士等約53%介護予防は約63%
平成30年度と比べた算定件数約1.7倍訪問リハビリは約1.3倍
次の介護報酬改定令和9年度2026年10月時点で議論中

減算は令和6年度の介護報酬改定、割合と件数は第271回介護給付費分科会(2026年10月19日)資料3。

1. まず結論

2. 訪問看護の「理学療法士等の訪問」とは

訪問看護ステーションの理学療法士等の訪問は、介護保険では「訪問看護」の1つです。国の解釈平成30年度のQ&Aでは、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりに訪問させるもの、と説明されています。このことを利用者に説明し、同意を得ることも求められています。

看護職員の訪問が求められる場面

国の解釈同じQ&Aでは、次のように示されています。

平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)問21〜23

訪問リハビリテーションとのちがい

項目訪問看護ステーションの
理学療法士等の訪問
訪問リハビリテーション
介護保険のサービス訪問看護(介護予防訪問看護)訪問リハビリテーション(介護予防訪問リハビリテーション)
事業所訪問看護ステーションなど病院・診療所・介護老人保健施設・介護医療院
位置づけ看護業務の一環としてのリハビリを中心とした訪問を、看護職員の代わりに行うリハビリテーションの専門のサービス
この記事の8単位の減算対象対象ではない(訪問リハビリには別の決まりがある)

表は、横にずらして見られます。

医療保険の訪問看護との関係

8単位の減算は、介護保険(介護報酬)の決まりです。医療保険で訪問看護を受ける人(訪問看護療養費)には、この減算の決まりはありません。医療保険の訪問看護は、令和8年度の診療報酬改定で、同じ建物に住む利用者への訪問看護の評価が見直されました。この見直しは、理学療法士等の訪問も対象です。

3. いまの決まり:8単位の減算と、12か月を超えたときの減算

8単位の減算の要件

決まり次のどちらかに当てはまると、理学療法士等の訪問1回につき8単位を減算します。訪問看護と介護予防訪問看護の、どちらにもあります。

要件見る期間減算する期間
① 理学療法士等の訪問回数が、看護職員の訪問回数を超えている前年の4月〜その年の3月その年度(4月から翌年3月)
② 緊急時訪問看護加算(Ⅰ)(Ⅱ)、特別管理加算(Ⅰ)(Ⅱ)、看護体制強化加算(Ⅰ)(Ⅱ)を、どれも算定していない算定する日が属する月の前6か月前6か月に、どの加算の算定もないときの訪問

表は、横にずらして見られます。介護予防訪問看護では、緊急時介護予防訪問看護加算(Ⅰ)(Ⅱ)、特別管理加算(Ⅰ)(Ⅱ)、看護体制強化加算です。

①の回数で看護職員の訪問のほうが多い(同じ回数を含む)事業所でも、②に当てはまれば減算になります。①と②は、別々に見ます。

決まり定期的な看護職員の訪問のときに、看護職員と理学療法士等が同時に訪問した場合は、看護職員の訪問看護費を算定するなら看護職員の訪問回数に、理学療法士等の訪問看護費を算定するなら理学療法士等の訪問回数に数えます。

留意事項通知(老企第36号)第2の4⑷⑧。介護予防は、介護予防の留意事項通知 第2の3⑷⑧

介護予防訪問看護で、12か月を超えたとき

決まり介護予防訪問看護では、12か月を超えて理学療法士等が訪問するとき、さらに減算があります。その幅は、8単位の減算を算定しているかどうかで変わります。

8単位の減算12か月以内12か月を超えたとき
算定していない減算なし1回につき5単位を減算
算定している1回につき8単位を減算8単位に加えて、さらに15単位を減算

令和6年度介護報酬改定の改定事項(第271回介護給付費分科会 資料3 p.47〜48に再掲)

4. 国が示した解釈(Q&A)と、確かめ先

令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1〜Vol.18)のうち、理学療法士等の訪問の減算について答えている問は、次のとおりです(2026年10月24日に確認)。

連続して2回訪問したときの数え方

国の解釈理学療法士等が連続して2回の訪問を行った場合は、1回と数えます。たとえば、3月1日と3月3日にそれぞれ2回ずつ訪問したときは、算定回数は4回、訪問回数は2回です。3月5日の午前に1回、午後に連続して2回訪問したときは、算定回数は3回、訪問回数は2回です。

Q&A(Vol.1)問28

前年度の訪問回数の確かめ方

国の解釈居宅サービス計画書、訪問看護報告書、訪問看護記録書などを参照して確認します。連携型の定期巡回・随時対応型訪問介護看護による訪問回数も、前年度の理学療法士等の訪問回数に含まれます。

Q&A(Vol.1)問29・問30

訪問看護と介護予防訪問看護は、別に数えるか

国の解釈訪問看護と介護予防訪問看護の指定をあわせて受け、一体的に運営している場合は、合算して数えます。加算の要件(②)も同じく、訪問看護費と介護予防訪問看護費の両方で、前6か月に加算の算定の実績がない場合に減算します。

Q&A(Vol.5)問1

確かめ先Q&Aで答えが出ていないとき

上の問に当てはまらない場面(数え方に迷う訪問の形など)は、自分たちの解釈で決めず、指定を受けた自治体(都道府県・指定都市・中核市)の介護保険の担当に確かめるのがおすすめです。問い合わせた日・相手・答えを記録しておくと、あとで説明しやすくなります。

5. これまでの改定の流れ

  1. 平成30年度

    初回は看護職員が訪問すること、おおむね3か月に1回程度の看護職員の訪問、利用者への説明と同意などが、Q&Aで示されました。

  2. 令和6年度

    8単位の減算(①訪問回数、②加算の算定の状況)ができました。介護予防訪問看護では、8単位の減算を算定している場合の、12か月を超えたときの減算が15単位になりました。

  3. 令和8年度

    期中の改定で、訪問看護にも介護職員等処遇改善加算が設けられました。留意事項通知の改正は処遇改善加算の追加で、理学療法士等の減算の部分は変わっていません。

  4. 2026年10月19日

    第271回介護給付費分科会で、令和9年度の改定に向けた訪問看護の論点が示されました(次の章)。

6. 議論中の論点(2026年10月19日の分科会)

議論中第271回介護給付費分科会の資料3(訪問看護)では、論点③「期待される役割を踏まえた評価の見直し」の中で、理学療法士等の訪問が取り上げられています。

あわせて示されたデータは、次のとおりです。

資料には、減算の単位数や、新しい要件の具体的な案は書かれていません。これから分科会での議論を経て決まります。決まった内容は、このページで「決まり」に書き直します。

7. これから、いつ何が決まるか

これまでの介護報酬改定は、おおむね次の順で進んできました。令和9年度の改定の日程は、決まりしだい確かめて書き足します。

  1. 分科会で、サービスごとに議論いまの段階です。論点と対応案が示され、委員が意見を述べます。
  2. 審議報告改定の基本的な考え方と、サービスごとの見直しの方向がまとまります。
  3. 諮問・答申単位数と算定の要件の案が示されます。減算の幅などが、ここでわかります。
  4. 告示・留意事項通知・Q&A決まりの原文と、解釈の通知が出ます。Q&Aは、施行のあとも追加されます。
  5. 施行決まりが使われ始めます。

このページは、毎月はじめに厚生労働省の資料(分科会、告示・通知、Q&A)を確かめ、変わったところを直します。

よくある質問

連続して2回訪問したときは、何回と数えますか

減算の要件の訪問回数では、1回と数えます。算定回数は2回のままです(令和6年度Q&A Vol.1 問28)。

訪問看護と介護予防訪問看護の訪問回数は、別々に数えますか

両方の指定を受けて一体的に運営している場合は、合算して数えます。加算の算定の実績も、両方をあわせて見ます(令和6年度Q&A Vol.5 問1)。

おおむね3か月に1回の看護職員の訪問は、毎回算定が必要ですか

必ずしもケアプランに位置づけて訪問看護費を算定するまでは求められていません。算定しないときは、訪問日と訪問の内容などを記録します(平成30年度Q&A Vol.1 問21)。

令和9年度の改定で、減算はどうなりますか

2026年10月24日の時点では決まっていません。10月19日の分科会で、提供体制や実績等を踏まえた評価の見直しが対応案として示された段階で、単位数の案は出ていません。

出典・参考にした資料

出典を見る(10件)
  • 厚生労働省「第271回社会保障審議会介護給付費分科会 資料」(2026年10月19日):会議の議題と資料の一覧。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76626.html
  • 同 資料3「訪問看護」:論点③と対応案、理学療法士等の訪問の割合・算定件数、収支差率、令和6年度の改定事項の再掲(p.47〜57)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001760335.pdf
  • 厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」:告示・留意事項通知・Q&A(Vol.1〜18)の一覧。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38790.html
  • 「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス、居宅療養管理指導及び福祉用具貸与に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」の改正(令和6年):第2の4⑷⑧(8単位の減算の要件、見る期間、同時訪問の数え方)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001227887.pdf
  • 「指定介護予防サービスに要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について」の改正(令和6年):第2の3⑷⑧(介護予防訪問看護の8単位の減算)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001227907.pdf
  • 「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)」(令和6年3月15日):問28〜30(連続2回の数え方、前年度の回数の確かめ方、連携型の定期巡回)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001230308.pdf
  • 「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.5)」(令和6年4月30日):問1(訪問看護と介護予防訪問看護の合算、加算の要件)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001250798.pdf
  • 「平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)」(平成30年3月23日):問21〜23(初回と定期的な看護職員の訪問、看護職員の代わりに訪問させるものであること、利用者の同意)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000199211.pdf
  • 介護保険最新情報 Vol.1477(令和8年3月13日):令和8年度の期中の改定に伴う留意事項通知の改正(訪問看護費への介護職員等処遇改善加算の追加)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/001682746.pdf
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の概要【訪問看護ステーション】」(令和8年9月4日版):同じ建物に住む利用者への訪問看護の評価の見直し(理学療法士等を含む)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001745825.pdf

個別の算定の判断は、告示・通知の原文と、指定を受けた自治体の案内で確かめることをおすすめします。