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住宅改修の写真の撮り方手すり・段差・扉・床材ごとのポイントと、撮影日の決まり

監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)
公開日:2026年10月7日/最終確認日:2026年10月7日

この記事は、住宅改修の申請に使う写真を撮る人(施工業者、福祉用具の事業所、ケアマネジャー、リハビリの担当者、ご家族)に向けて書きました。「何を、どこから撮ればよいのか」「日付はどう入れるのか」「手すりの位置は、どう示すのか」といった疑問に、市区町村の手引きをもとに答えます。

写真は、改修する場所と、工事の必要性を、市区町村が確かめるための資料です。撮り方が合わないと、撮り直しや、問い合わせになることがあります。工事の前に申請する流れ全体は「住宅改修の申請書類と、図面・写真の書き方」にまとめています。この記事は、その写真の部分を、さらにくわしくしたものです。

この記事のポイント
  • 写真には、撮影日が必要です。日付機能のあるカメラで撮るか、日付を書いた黒板や紙を一緒に写します。撮ったあとに日付を足した写真は、認められない市があります
  • 改修前の写真は、改修する場所をアップで撮らず、周りも写します。手すりなら、どの壁かが、見取り図と見比べられるように
  • 手すりは取り付け予定の位置を、段差はメジャーを当てた写真を、扉・床材は全体がわかるように撮ります
  • 改修後は、改修前と同じ角度で撮り、使った部材(金具など)が、すべて確認できるようにします
  • 理由書・見積書・図面・写真には、同じ番号を振ります
  • 撮り方の細かい決まりは、市区町村によって違います。申請先の手引きを、先に確かめます

1. 撮影日の入れ方

手引きでは、写真に撮影日がわかることが、共通して求められています。入れ方は、次のように示されています。

日付が入っていない写真は、再提出や、問い合わせになることがあります。相模原市のQ&Aでは、日付のない写真には、施工業者へ電話で撮影日を問い合わせるとされ、事前申請で日付がなかった場合は、事後の申請で、日付の入った写真を出すよう案内されています。

日付の扱いで、気をつけたいこと
  • 日付は、撮るときに写し込みます。あとから足せません。
  • 写した日付の上には、線や文字を書き込まないようにします。
  • 撮った写真は、元のファイルを、消さずに残しておきます。

2. 改修前の写真:共通の撮り方

改修前の写真は、工事が必要な理由と、改修する場所が、わかるように撮ります。複数の手引きに、共通して書かれていることは、次のとおりです。

手すりの撮り方の比べ 手すりの撮り方の比べ。左は、壁のアップだけの写真で、どこの壁かわからない。右は、壁の横の扉と床も写した写真で、どの壁に手すりを付けるのかがわかる。 壁のアップだけ 周りの扉や床も写す どこの壁か、わからない どの壁に付けるか、わかる 手すりの撮り方の比べ(スマートフォン用) 手すりの撮り方の比べ。左は、壁のアップだけの写真で、どこの壁かわからない。右は、壁の横の扉と床も写した写真で、どの壁に手すりを付けるのかがわかる。 壁のアップだけ どこの壁か、わからない 周りの扉や床も写す どの壁に付けるか、わかる
手すりの位置は、壁のアップだけではなく、周りの扉や床も写す

3. 工事の種類ごとの撮り方

ひたちなか市の手引きには、工事の種類ごとの、改修前の撮り方が示されています。ほかの市の手引きにも、同じ内容があります。

工事改修前の写真で撮るもの
手すりの
取付け
壁のアップだけにしない。どこの壁に付けるのか、見取り図と見比べられるように、周りの扉などが写るようにする。取り付け予定の位置を、写真に示す(次の章)
段差の
解消
段差の全体がわかる写真と、段差にメジャー(スケール)を当てて、高さがわかる写真の、両方
扉の
取替え
扉の形や、取っ手などが、全体でわかるように撮る
床材の
変更
床全体がわかるように撮る。荷物があって撮りにくいときは、着工するときに、荷物を取り除いた状態の写真を撮り、完了のときに出す
階段の
滑り止め
段数や範囲がわかるように撮る

手すりの取付けでは、そのほかに、玄関から道路までの通路に付けるときは、敷地全体がわかる図が求められる手引きがあります。見取り図の書き方は「住宅改修の見取り図の書き方」にまとめています。

玄関の上がり口の段差に、段の上から床までメジャーを垂らして高さを測る男性と、見守る女性
段差の解消:改修前の写真。メジャーを当てて、段差の高さがわかるように撮ります

4. 改修後の写真

改修後の写真は、工事のあとの申請で出します。工事が、計画どおりにできたことが、確認できるように撮ります。

廊下の壁に、手すりを付ける予定の場所を示すオレンジのテープの帯が貼ってあり、女性がスマートフォンで撮影している図
手すり:改修前の写真。取り付ける予定の場所に印(テープなど)をつけて、その壁が正面からはっきり写るように撮ります

5. 位置を示す方法と、番号

手すりの位置の、示し方

改修前の写真に、手すりの取り付け予定の位置を示す方法は、手引きによって、次のように書かれています。

どの方法が認められるかは、市区町村によって違います。申請先の手引きで確かめてから、決めるのがおすすめです。

番号をそろえる

大田区、さいたま市の手引きでは、改修する箇所に通し番号を振り、理由書・見積書・図面・写真で、同じ番号にそろえるよう求めています。審査する人が、書類を見比べやすくなります。

写真への線や番号の書き込みと、A4の写真貼付シートづくりは、無料のツールで行えます。

関連ツール 住宅改修の写真書き込みシート 工事前の写真に、手すりの線、寸法、番号を書き込んで、改修前・改修後を並べたA4の写真貼付シートを、印刷・PDF・画像で保存できます。
理学療法士の視点から 写真で見落とされやすいのは、「その手すりが、何のために要るのか」です。トイレの手すりなら、便座からの立ち座りや、向きを変える場面が、わかる写真だと、理由書の内容と結びつきやすくなります。リハビリの担当者が、ご本人の動きを見て、「どこに手をつくか」「どちら側が使いやすいか」を伝えておくと、施工する方が、位置を決めて、写真に示しやすくなります。

6. 現場での撮り方の順番

手引きの内容をもとにした、現場での撮り方の一例です。

  1. 日付の準備:日付機能のカメラを使うか、日付や名前を書いた、黒板や紙を用意します。
  2. 引きの写真から:部屋全体や、廊下全体など、場所がわかる写真を、先に撮ります。
  3. 周りを入れて、改修する場所へ:扉、浴槽、段差など、周りの物を入れながら、改修する場所に寄ります。
  4. 位置や寸法を示す:手すりの位置にテープなどで印をつけます。段差にメジャーを当てます。
  5. 角度を変えて、複数枚:正面や斜めなど、わかりにくいときは、角度を変えて撮ります。
  6. 番号を決める:理由書・見積書・図面と同じ番号を、その場で決めて、記録しておきます。
  7. その場で見返す:ピント、日付、場所がわかるか、確かめます。撮り直しは、現場にいるうちにできます。

7. よくある不備

手引きに書かれている内容から、不備になりやすい点を整理しました。

よくある質問

住宅改修の写真に、日付はどう入れればよいですか

撮るときに、写真に写し込みます。日付機能のあるカメラを使うか、日付を書いた黒板や紙を、一緒に写して撮ります(さいたま市、相模原市、大田区の手引き)。撮ったあとに、日付を付け足したり、データを修正したりした写真は、認められない市があります。

日付が入っていない写真を出してしまいました。どうなりますか

相模原市のQ&Aでは、日付のない写真には、担当した施工業者へ、電話で撮影日を問い合わせるとされています。事前申請で日付がなかったときは、事後の申請で、日付の入った写真を出すよう、案内されています。取り扱いは、市区町村によって違うので、窓口に確かめます。

手すりの位置は、写真にどう示せばよいですか

市区町村によって、書き方が違います。さいたま市は、取り付け予定の箇所を、マジックなどで記載するとしています。大田区は、写真に直接、線を引くなどして示すとしています。ひたちなか市は、改修する内容を、写真の中に図示するとしています。現場で、壁にテープなどで印をつけてから撮る方法もあります。申請先の手引きで、確かめるのがおすすめです。

改修場所を、アップで撮ってはいけませんか

アップだけの写真は、どこの壁か、どこの段差かがわからなくなります。大田区、ひたちなか市の手引きは、改修場所の周辺も写すよう求めています。手すりなら、周りの扉などが写り、見取り図と見比べられる写真が、わかりやすいとされています。必要に応じて、アップの写真を、あわせて撮ります。

改修後の写真は、どう撮ればよいですか

改修前と同じ角度で、使った部材が、すべて確認できるように撮ります。手すりは、金具が小さすぎたり、影に隠れたりしないよう、角度を工夫して複数枚撮ります。長い手すりは、つなぎ目がわかるよう、マスキングテープなどを貼って撮る案内もあります(さいたま市、相模原市、大田区の手引き)。

撮った写真が傾いています。補正して使ってよいですか

傾きを直す補正は、写真を加工することにあたります。手引きでは、日付を付け足すなどのデータ修正をした写真は認められないとされていて、補正の扱いは、市区町村によって違うと考えられます。補正する前に、申請先の窓口に確かめるのがおすすめです。補正するときは、日付が切れないように、元の写真も残しておきます。

出典・参考にした資料

この記事は一般的な内容です。写真の撮り方や、書き込みの決まり、様式は、市区町村によって違います。申請の前に、担当のケアマネジャーか、お住まいの市区町村の窓口に確認するのがおすすめです。