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住宅改修の見取り図の書き方申請に添える図に、何を書き込めば伝わるか

監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)
公開日:2026年10月4日/最終確認日:2026年10月4日

この記事は、住宅改修の申請書類をそろえるケアマネジャーに向けて書きました。見取り図を頼まれたリハビリ職や、ご家族にも役立つ内容です。

住宅改修の事前申請では、工事の内容がわかる図(見取り図・平面図)を出します。上手な図面である必要はありません。市区町村の担当者が、家に行かなくても「なぜ、どこに、何を工事するのか」が分かれば十分です。この記事では、そのために何を書き込めばよいかと、差し戻されやすい点を、順に見ていきます。申請の流れ全体は「住宅改修の申請書類と、図面・写真の書き方」、家屋調査のための間取り図は「家屋調査の間取り図の書き方」にまとめています。

この記事のポイント
  • 国の通知では、写真や簡単な図でよい。設計図のような図面は求められていない
  • 描く範囲は、改修する場所だけでなく、寝室からトイレ・浴室・玄関までの動線がわかる範囲
  • 改修する場所に通し番号を付け、理由書・見積書・写真の番号とそろえる
  • 手すりは形と長さ、段差は今の高さと、なくしたあとの高さ、扉は替えたあとの形を書く
  • 手すりの高さは、平面の図では伝わらない。横から見た図(立面図)を求める市区町村もある
  • 書式や求められる図は、市区町村で違う。迷ったら、出す前に窓口に確認する

1. 見取り図は、何のための図か

国の通知では、事前申請に出す書類の一つを「完成予定の状態がわかるもの」としています。トイレ、浴室、廊下などの箇所ごとに、改修前と改修後の予定の状態を、写真や簡単な図で示したもの、とされています。国の概要の資料にも、「日付入り写真又は住宅の間取り図など」と書かれています。

自治体の手引きでは、たとえば、さいたま市は次のように案内しています。

呼び名は、「見取り図」「平面図」「住宅改修箇所計画図」など、市区町村によってさまざまですが、役割は同じです。見取り図は、理由書と見積書を、家の中の場所に結びつける図です。審査する人は、理由書で「なぜ」を、見積書で「何を、いくらで」を、見取り図と写真で「どこに」を確かめます。

2. 書き込むものと、記入例

見取り図に書き込むのは、次のものです。

久留米市が示している記入例でも、手すりの形と寸法、段差を解消する高さの数値、扉を替えたあとの形を、図に書き込むよう案内されています。

住宅改修の見取り図の記入例 住宅改修の見取り図の記入例。上の列に、左から寝室、トイレ、脱衣所、浴室。その下に、横に長い廊下。下の列に、居間と玄関。寝室からトイレまで、点線の矢印で動線を示す。改修する場所に、1から5の番号を付ける。1はトイレの便器の横の壁の手すり、2は寝室からトイレまでの廊下の手すり、3は玄関の上がり框の横の壁の縦手すり、4は浴室の入口の段差、5はトイレの戸の取替え。手すりは緑の太い線、段差は赤い三角の印で示す。 寝室 トイレ 脱衣 浴室 廊下 居間 玄関 土間 1 2 3 4 5 手すり 段差 動線 1 番号 ※ 数字や配置は、説明のための例です
見取り図の記入例。改修する場所に番号を付け、動線と、手すり・段差の印を書き込みます

番号ごとの内容は、図の中に書き込むか、図の横や下に、次のような一覧で添えます。

番号場所と、工事の内容(記入の例)
①トイレ、便器の横の壁。手すりの取付け。L型手すり(横60cm・縦70cm)
②廊下、寝室の前からトイレの前までの壁。手すりの取付け。I型手すり(長さ180cm)
③玄関、上がり框の横の壁。手すりの取付け。縦のI型手すり(長さ80cm)
④浴室の入口。段差の解消。段差10cm → 2cm
⑤トイレの戸。扉の取替え。開き戸 → 引き戸

数字は、説明のための例です。手すりの位置や高さは、ご本人の体と動作によって変わります。考え方は、手すりの高さの決め方と、トイレの手すりの高さと位置にまとめています。

部屋の大きさは、正確でなくてかまいません。ただし、相模原市のQ&Aでは、縦と横の縮尺が違う図面が見られるとして、見積もりを確かめるためにも、同じ縮尺で描くよう求めています。廊下の長さと手すりの長さの関係が、図から読み取れることが大切です。

3. 番号を、ほかの書類とそろえる

見取り図の番号は、理由書、見積書、写真の番号とそろえます。さいたま市の手引きでは、改修する場所に通し番号を振り、理由書・見積書・各図面・写真などとそろえるよう案内しています(例:①便器横の壁面、②玄関の上がり框)。

国が示している見積書の様式にも、改修前の写真や図面の番号を書く「写真等番号」の欄があります。番号がそろっていると、審査する人が、書類を行き来しながら確かめやすくなります。見積書の様式は、住宅改修の申請書類と、図面・写真の書き方の3章で紹介しています。

書類番号をそろえるところ(例:①トイレの手すり)
理由書改修の内容と、その理由の欄に、①トイレの手すり
見積書「写真等番号」の欄に、①
見取り図トイレの手すりの位置に、①
写真改修前の、トイレの手すりを付ける壁の写真に、①

4. 手すりの高さは、横から見た図で

上から見た見取り図では、手すりの高さは伝わりません。相模原市のQ&Aでは、手すりの取付けの図面は、平面図だけでなく、立面図(展開図や取付け図など)が必要な場合があるとしています。各部材の取付け位置や、支柱(ブラケット)の間の寸法、手すりの棒の長さが記されている必要がある場合もある、とされています。

久留米市の記入例でも、玄関の手すりや洗面所の手すりを横から見た図に、床からの高さや長さを書き込んでいます。

トイレの手すりを横から見た図(立面図)の記入例 トイレのL型手すりを横から見た図の記入例。床から横の手すりまでの高さは65センチ、横の手すりの長さは60センチ。縦の手すりの長さは70センチで、便器の先端から25センチ前。数字は説明のための例。 奥の壁 床から65cm 縦 70cm 横 60cm 便器の先端から25cm前 ※ 数字は説明のための例です
トイレの手すりを横から見た図(立面図)の記入例。床からの高さ、長さ、便器との位置を書き込みます

立面図がどこまで必要かは、市区町村によって違います。手すりの高さや位置は、ご本人の立ち上がり方や歩き方で変わるので、リハビリ職の評価や家屋調査の結果があれば、それをもとに決めるのがおすすめです。細かい取付けの寸法は、施工事業者が現地で測って、図にすることもあります。誰がどの図を用意するかは、施工事業者と早めに相談しておくと、手戻りが少なくなります。

5. 差し戻されやすい点と、出す前の確認

自治体の手引きやチェックリストには、次のような点が、よくある不足として挙げられています。

出す前に、次の点を確かめておくと安心です。

求められる図や書式は、市区町村によって違います。この記事の自治体の例は、あくまで一例です。お住まいの市区町村の手引きや様式を、先に確認するのがおすすめです。

6. 間取り図メーカーで作る手順

見取り図は、手書きでも作れます。当サイトの無料ツール「かんたん間取り図メーカー」でも、次の順で作れます。登録は要らず、描いた図はどこにも送信されません。

  1. 形を描く:「部屋」と「廊下」で、家の形を描きます。「見本:平屋」「見本:2階建て」を開いて、形を直していくこともできます。
  2. 戸を置く:開き戸、引き戸、出入口などを置きます。
  3. 手すりと段差を置く:「手すり」で壁に沿って手すりを描き、段差やスロープの印を置きます。
  4. 動線を描く:「動線」で、寝室からトイレなどへの動きを、矢印で示します。
  5. 番号と寸法を書く:「番号」の部品で、①、②…の番号を置けます(置くたびに、番号が1つずつ進みます)。「ものさし」で、手すりの長さや廊下の幅を書き込めます。
  6. 保存する:「A4で印刷」で、タイトルと作成日を付けて印刷やPDF保存ができます。画像(PNG)でも保存できます。

手すりの高さは、平面の図では表せないので、横から見た図は、手書きや施工事業者の図で添えます。

手すりを付ける位置は、工事前の写真に直接書き込む方法もあります。

関連ツール 住宅改修の写真書き込みシート 工事前の写真に、手すりの位置、段差の寸法、番号を書き込んで、A4の写真貼付シートで印刷・PDF保存できます。 関連ツール かんたん間取り図メーカー 部屋、手すり、段差の印、動線、①②…の番号を置いて、見取り図を作り、A4で印刷・PDF保存できます。

よくある質問

住宅改修の見取り図は、手書きでもよいですか

国の通知では、写真や簡単な図で示すこととされていて、設計図のような図面は求められていません。手書きでよいかどうかや、様式・書き方の決まりは、市区町村によって違うので、出す前に窓口で確認すると安心です。

寸法は、どこまで書けばよいですか

改修に関わる寸法(手すりの長さ、段差の今の高さと解消後の高さ、扉の幅など)を書きます。家全体を正確に測る必要はありませんが、縦と横の縮尺が極端に違うと、見積もりの長さと図が合わなくなります。手すりの高さは、横から見た図(立面図)を求められる場合があります。

見取り図は、どの範囲まで描けばよいですか

改修する場所だけでなく、寝室からトイレ、浴室、玄関までの、ふだんの動線がわかる範囲で描きます。トイレだけ、玄関だけの部分の図では、手すりや段差の解消が必要な理由が伝わりにくくなります。

見取り図の番号は、何とそろえればよいですか

理由書、見積書、写真の番号とそろえます。国が示している見積書の様式には、写真や図面の番号を書く「写真等番号」の欄があります。番号がそろっていると、審査する人が、書類を行き来しながら確かめやすくなります。

見取り図は、誰が描きますか

決まりはありません。ケアマネジャー、施工事業者、リハビリ職などが描くことがあります。手すりの細かい取付けの寸法は、施工事業者が現地で測って図にすることもあるので、誰がどの図を用意するかを、早めに相談しておくと安心です。

出典・参考にした資料

この記事は一般的な内容です。見取り図の様式や、求められる図、書き方の決まりは、市区町村によって違います。申請の前に、お住まいの市区町村の手引きや窓口で、最新の内容をご確認ください。