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移行支援加算の算定要件|訪問リハ・通所リハの移行率と平均利用月数の計算前年1〜12月の実績で、翌年度に算定。終了後14〜44日の確認と計画書の提供

監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)
公開日:2026年11月3日/最終確認日:2026年11月3日/出典(13件)

移行支援加算は、訪問リハビリや通所リハビリを終えた利用者が、通所介護や地域の集まりなどへ移っていくのを支えた事業所を評価する加算です。1人ひとりの利用者ではなく、事業所の1年間の実績で決まり、前の年の1〜12月の数字がそろえば、次の年度のすべての利用者に1日ごとに加算されます。

実績は「終了した人のうち移った人の割合」と「利用者の入れ替わり(12÷平均利用月数)」の2つの数字で見ます。数字の出し方、移った先に数えてよいもの、終了から14〜44日の確認、移った先への計画書の渡し方を、原文の場所をそえて整理します。下の計算の枠に、自分の事業所の数字を入れて試すこともできます。

このページの見方
  • 決まり告示(単位数表・厚生労働大臣が定める基準)と留意事項通知、国の届出様式に書いてあること
  • 国の解釈厚生労働省の介護報酬改定に関するQ&Aで答えが示されていること
  • 議論中介護給付費分科会で話し合われていて、まだ決まっていないこと
  • 確かめ先Q&Aで答えが出ていないこと。事業所の指定を受けた都道府県・市に確かめるのがおすすめです
訪問リハ17単位/日移った人 5%超・入れ替わり 25%以上
通所リハ12単位/日移った人 3%超・入れ替わり 27%以上
実績を見る期間1〜12月前の年。翌年度に算定
終了後の確認14〜44日終了日から起算

単位数表の訪問リハ注10・通所リハの移行支援加算、厚生労働大臣が定める基準(平成27年告示第95号)13号・32号、厚生労働大臣が定める期間(平成27年告示第94号)。

1. まず結論

項目訪問リハ通所リハ
単位数1日17単位1日12単位
移った人の割合終了者のうち5%を超える終了者のうち3%を超える
12÷平均利用月数25%以上27%以上
移った先に通所リハを数えるか数える数えない(通所リハ・介護予防通所リハを除く)
14〜44日の確認をする人理学療法士・作業療法士・言語聴覚士通所リハビリテーション従業者
移った先への計画書本人の同意を得て提供(抜粋でよい)

決まり厚生労働大臣が定める基準 13号(訪問)・32号(通所)、留意事項通知(老企第36号)第2の5⒃・第2の8(30) 国の解釈令和3年度Q&A Vol.2 問18

2. いつの実績で、いつ算定するか

決まり実績を見る期間(評価対象期間)は、算定する年度の初日が属する年の、前の年の1月から12月までです。たとえば令和9年度(2027年4月〜2028年3月)に算定するなら、令和8年(2026年)1月〜12月の実績を使います。

新しく届け出た年は、届出の日からその年の12月までが評価対象期間です。加算は、評価対象期間の末日が属する年度の次の年度に限って算定します。

厚生労働大臣が定める期間(平成27年告示第94号)9号、単位数表(香川県の集団指導資料の転記で確認)

3. 2つの数字の出し方

1つめ:終了者のうち、移った人の割合

決まり評価対象期間に提供を終了した人のうち、通所介護などを実施した人の割合です。訪問リハは5%を超えること、通所リハは3%を超えることが基準です。

2つめ:12÷平均利用月数

決まり利用者が平均して何か月使っているかを出し、12をその月数で割ります。入れ替わりが多い(短い期間で終えて次の利用者を受け入れている)ほど大きな数字になります。訪問リハは25%以上、通所リハは27%以上が基準です。平均利用月数は、留意事項通知の式で出します。

数字数え方
平均利用月数利用者延月数の合計 ÷{(新規利用者数+新規終了者数)÷2}
利用者延月数評価対象期間に、利用者ごとに事業所を利用した月数の合計。期間の外の利用は数えません
新規利用者数評価対象期間に新しく利用を始めた人の数。終了から12月以上あけて再び利用した人も新規に数えます
新規終了者数評価対象期間に利用を終了した人の数。令和3年度改定のときに示された国の届出様式例の注では、入院・入所・死亡を含むとされています

同じ届出様式例では、2つめの数字を「12×(新規利用者数+新規終了者数)÷2÷利用者延月数」の形で計算する欄になっています。式の形はちがいますが、出てくる数字は同じです。割合と、12を平均利用月数で割った数は、小数点第3位以下を切り上げるとされています。利用を始めたその日のうちに終了した人や亡くなった人も、利用者に含めます。

決まり留意事項通知 第2の5⒃③④、令和3年度改定の届出様式例(別紙17・18) 国の解釈令和3年度Q&A Vol.2 問12(延月数は評価対象期間の中の利用だけ)

計算の例(架空の訪問リハ事業所)

自分の事業所の数字で試す
1つめ:移った人の割合
評価対象期間の終了者数(人)
そのうち通所介護などを実施した人(人)
2つめ:12÷平均利用月数
利用者延月数の合計(月)
新規利用者数(人)
新規終了者数(人)

計算は、この画面の中だけで行います。数字はどこにも送られません。基準に近い数字のときは、切り上げの扱い(8章)も含めて、届出の前に指定を受けた都道府県・市に確かめるのがおすすめです。

4. 「移った」に数えるもの・数えないもの

決まり告示は、移った先を「指定通所介護等」として並べています。通所介護、通所リハ(訪問リハの場合だけ)、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、介護予防通所リハ(訪問リハの場合だけ)、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防小規模多機能型居宅介護、市区町村の総合事業の通所型サービス(第1号通所事業)、その他社会参加に資する取組です。

数える数えない
通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護医療機関への入院
小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護介護保険施設への入所
総合事業の通所型サービス訪問リハビリ
就労(障害福祉の就労移行支援・就労継続支援A型・B型を含む)認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
自宅で役割を持って生活している場合(令和3年度改定の届出様式例の注)通所リハ事業所の場合:通所リハ・介護予防通所リハへ移った場合

すでに通所介護と併用していて、訪問リハ(または通所リハ)だけを終えて通所介護を続ける人も、移った人として扱えるとされています。訪問リハから通所リハへ移り、2か月後に通所介護へ移った人についても、訪問リハの要件を満たすという答えが出ています。

決まり厚生労働大臣が定める基準 13号イ(1)・32号イ(1)、留意事項通知 第2の5⒃①②、令和3年度改定の届出様式例(別紙17・18)の注 国の解釈令和3年度Q&A Vol.2 問17・問19・問21

5. 終了から14〜44日の確認

決まり評価対象期間に提供を終了した人について、終了日から起算して14日以降44日以内に、通所介護などの実施状況を確かめて記録します。

記録の項目は決まっていません。終了日、確認した日(14〜44日の中か)、確認した人、方法(電話・訪問など)、移った先と利用の様子、終了時と比べたADL・IADL、の6つがあると、届出のときに根拠を示しやすくなります。

終了の時点で、利用者と家族に、2〜6週後に様子を聞く連絡があることを伝えておくと、連絡がつきやすくなります。

決まり厚生労働大臣が定める基準 13号イ(2)・32号イ(2)、留意事項通知 第2の5⒃⑤

6. 移った先への計画書の提供

決まり終了者が通所介護などの事業所へ移るときは、リハビリ計画書を移った先の事業所へ提供します。

国の解釈計画書は国の様式例でなくても、同じ項目が書かれていれば、事業所で使っているものでよいとされています。

通所介護の機能訓練指導員や生活相談員が、受け取った計画書を個別機能訓練の計画づくりに使えるよう、目標と、家で続けてほしい動作を短く書きそえておくと、引き継ぎに役立ちます。

決まり厚生労働大臣が定める基準 13号ハ・32号ハ、留意事項通知 第2の5⒃⑥ 国の解釈令和6年度Q&A Vol.1 問91

7. よく迷う場面

途中で中断して、また使い始めた人

国の解釈「終了した者」は、事業所の利用を終了し、評価対象期間の中で利用を再開していない人とされています。終了から3か月以上たって、リハビリが必要と医師が判断して再開した人は、新規利用者とみなすことができ、評価対象期間の中で再開していても、終了した人として扱うという答えです。

移った先から、元のサービスに戻ってきた人

国の解釈終了から3か月以上たって、リハビリが必要と医師が判断した場合は、新規利用者とすることができるとされています。

一部の利用者だけ、加算を外したい

国の解釈Q&Aの答えは、同じ事業所の中で、加算を算定する利用者と算定しない利用者がいることはできない、というものです。

令和3年度Q&A Vol.3 問14、Vol.2 問18・問20

8. 答えが出ていない点と、確かめ先

確かめ先は、事業所の指定を受けた都道府県・市(指定権者)です。答えをもらったら、日付と担当の部署を記録しておくと、運営指導のときに説明しやすくなります。

9. 令和9年度改定の議論

議論中介護給付費分科会では、10月に通所リハ(第270回、10月14日)と訪問リハ(第271回、10月19日)の改定の方向性が示されました。その論点に、移行支援加算の見直しは入っていません。

このあとの審議報告と、そのあとの告示・通知・Q&Aで決まった内容に、このページを書き直します。

社会保障審議会介護給付費分科会 第258回(令和8年6月15日)資料3、第259回(令和8年6月29日)資料4、第270回(令和8年10月14日)資料3 論点①、第271回(令和8年10月19日)資料4 論点①

10. よくある質問

通所介護と併用している利用者が、訪問リハだけを終えた場合、移った人に数えられますか

数えられるとされています。通所介護をそのまま続ける場合も「終了した後通所事業を実施した者」として扱えます(令和3年度Q&A Vol.2 問17)。

障害福祉の就労移行支援や就労継続支援に移った場合も、数えられますか

就労移行支援、就労継続支援(A型・B型)の利用に至った場合を、就労に含めてよいとされています(令和3年度Q&A Vol.2 問21)。

訪問リハから通所リハへ移り、2か月後に通所介護へ移った場合は、訪問リハの要件を満たしますか

満たすとされています(令和3年度Q&A Vol.2 問19)。

同じ事業所で、加算を算定しない利用者を作れますか

できないとされています。同じ事業所の中で、算定する利用者と算定しない利用者がいることはできません(令和3年度Q&A Vol.2 問18)。

利用者延月数には、評価対象期間より前の利用も入りますか

入りません。評価対象期間に事業所を利用した人の、評価対象期間の中の利用月数だけを合計します(令和3年度Q&A Vol.2 問12)。

計画書は、国の様式例を使わないといけませんか

様式は標準の例で、同じ項目が書かれていれば、事業所で使っているものでよいとされています(令和6年度Q&A Vol.1 問91)。

出典・参考にした資料

出典を見る(13件)

個別の算定の判断は、告示・通知の原文と、事業所の指定を受けた都道府県・市の案内で確かめることをおすすめします。