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排尿自立支援加算の算定要件と排尿ケアチームのPT・OT|回復期リハビリテーション強化体制加算の条件に令和8年度診療報酬改定。病棟専従者との兼務、リハビリテーション実施計画書との併用、研修

監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)
公開日:2026年10月28日/最終確認日:2026年10月28日/出典(8件)

令和8年度の診療報酬改定(2026年6月施行)で、回復期リハビリテーション病棟入院料1に「回復期リハビリテーション強化体制加算」(1日80点)ができました。届出の条件の1つが、排尿自立支援加算の届出をしている病院であることです。

排尿自立支援加算は、排尿ケアチームに専任の常勤PTかOTを置くことが施設基準になっています。これから届出を考える病院のリハビリ職に向けて、加算のしくみと、PT・OTに求められること、迷いやすい点を、原文の場所をそえて整理します。

このページの見方
  • 決まり告示(医科点数表)と留意事項通知・施設基準の通知に書いてあること
  • 国の解釈厚生労働省の疑義解釈資料で答えが示されていること
  • 確かめ先疑義解釈で答えが出ていないこと。地方厚生(支)局に確かめるのがおすすめです
排尿自立支援加算200点週1回・12週まで
外来排尿自立指導料200点入院と通算12週まで
回復期リハ強化体制加算80点1日につき・令和8年度に新設

令和8年度診療報酬改定の医科点数表 A251・B005-9・A308 注4。

1. まず結論

2. 令和8年度の改定で変わったこと

決まり回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟で、施設基準を満たす場合に、回復期リハビリテーション強化体制加算として、1日80点を加算できるようになりました。施設基準は次の4つです。

項目施設基準
入院料回復期リハビリテーション病棟入院料1の届出をしている
実績指数届出の月と、毎年4月・7月・10月・1月に算出したリハビリテーション実績指数が48以上
排尿・摂食嚥下排尿自立支援加算の届出をしている病院であること。摂食嚥下機能回復体制加算1の届出は「望ましい」
退院前訪問指導直近6か月に自宅へ退院した患者の1割以上に、退院前訪問指導をしている

表は、横にずらして見られます。

排尿自立支援加算そのもの(点数・対象・算定の条件)は、令和8年度の改定で変わっていません。強化体制加算の条件になったことで、これまで届出をしていなかった回復期の病院でも、届出を考える場面が出ています。

医科点数表 A308 注4。基本診療料の施設基準等の通知 別添4 第11 6。中央社会保険医療協議会「個別改定項目について」Ⅱ-1-1-⑩

国の解釈強化体制加算の届出は、実績指数の算出月(4月・7月・10月・1月)以外でも、届出の前月までの6か月間で実績指数を算出して行えます。退院前訪問指導の基準は、指導料の算定回数ではなく、指導を実施した実績で届け出ます。

国の解釈退院前訪問指導の割合は、1人の患者に入院後早期と退院前の2回訪問した場合も、分子は1人と数えます。「自宅」にはサービス付き高齢者向け住宅を含みますが、障害福祉サービスの施設など、含まれない施設もあります。同じ病院の別の病棟で退院前訪問指導をしたあとに回復期の病棟へ移り、自宅へ退院した患者は、分子に含めてよいとされています。

疑義解釈資料(その2)(令和8年4月1日)問49〜52

退院前訪問指導の算定は、退院前訪問指導料の記事にまとめています。

3. 排尿自立支援加算のしくみ

点数と回数

決まり施設基準の届出をした病院に入院している患者に、包括的な排尿ケアを行った場合に、週1回・12週を限度に200点を加算します。排尿が自立して指導を終えたあとは算定できません。

医科点数表 A251 注、留意事項通知 A251(7)

対象になる患者

決まり次のどちらかに当たる患者です。

国の解釈カテーテルを抜いたあとに入れ直した場合も、初回の算定から12週以内であれば算定できるとされています。

留意事項通知 A251(2)。疑義解釈資料(その1)(令和2年3月31日)問44

流れ

  1. 決まり病棟の看護師等が、カテーテルを抜いたあとに症状のある患者や、抜いたあとに障害が見込まれるが排尿の自立の可能性がある患者を抽出し、排尿日誌・残尿測定などで情報を集めて、排尿ケアチームに相談する
  2. 決まり排尿ケアチームが下部尿路機能障害を評価し、病棟の看護師等と共同して、包括的排尿ケアの計画を作る。計画は、看護師等による排尿誘導や生活指導、必要に応じてPT等による排尿に関連する動作訓練、医師による薬物療法などを組み合わせる
  3. 決まりチーム・病棟の看護師等・関係する職員が共同してケアを行い、定期的に評価する。ここまでの内容を診療録等に記載する

留意事項通知 A251(3)〜(6)

算定できない週

決まり排尿ケアチームが患者の状況を評価するなどの関与と、病棟の看護師等が計画にもとづいて患者に直接指導・援助することの両方が必要です。どちらか片方しか行われなかった週は算定できません。

留意事項通知 A251(7)

退院したあと

決まり退院後も外来で包括的排尿ケアを続ける必要があると判断した場合は、その旨を診療録等に記載します。外来では外来排尿自立指導料(200点、週1回)を、排尿自立支援加算を算定した期間と通算して12週まで算定できます。在宅自己導尿指導管理料を算定する場合は、外来排尿自立指導料は算定できません。

医科点数表 B005-9 注、留意事項通知 A251(8)・B005-9(2)(5)

4. 排尿ケアチームとPT・OT

チームの構成

決まり病院の中に、次の3者で作る排尿ケアチームを置きます。

職種施設基準
医師下部尿路機能障害の患者の診療の経験がある医師。3年以上の勤務経験がある泌尿器科の医師か、排尿ケアの研修(通算6時間以上)を修了した医師。ほかの病院を主な勤務先とする医師が、対診などで加わってもよい
看護師下部尿路機能障害の患者の看護の経験が3年以上あり、所定の研修(通算16時間以上)を修了した専任の常勤看護師
PT・OT下部尿路機能障害の患者のリハビリテーション等の経験がある専任の常勤理学療法士か、専任の常勤作業療法士

表は、横にずらして見られます。

医師と看護師には研修の時間の決まりがありますが、PT・OTには研修の決まりはなく、「経験を有する」とだけ書かれています。経験の年数も書かれていません。チームの構成員は、外来排尿自立指導料の排尿ケアチームと兼ねてもよいとされています。

基本診療料の施設基準等の通知 別添3 第26の9 1(1)〜(4)

病棟専従のPT・OTは兼務できない

国の解釈排尿ケアチームの職員が病棟専従者などを兼務してよいかという問いに、「病棟業務に専従することとされている職員については、専従する業務の範囲に排尿ケアチームの業務が含まれないと想定されるため、兼務することはできない」と答えています。

疑義解釈資料(その1)(令和2年3月31日)問47

回復期リハビリテーション病棟入院料では、病棟に専従の常勤PT・OTを置くことが施設基準です。この専従のPT・OTは、排尿ケアチームのPT・OTになれないと読めます。チームのPT・OTは、病棟専従ではない職員から選ぶことになります。強化体制加算のために届出を考える病院では、まずここを確かめておくのがおすすめです。

チームのしごと

基本診療料の施設基準等の通知 別添3 第26の9 1(5)(6)

計画書は、リハビリテーション実施計画書と併用できる

国の解釈包括的排尿ケアの計画の内容が、リハビリテーション実施計画書かリハビリテーション総合実施計画書に明記されていれば、併用してもよいとされています。

疑義解釈資料(その1)(令和2年3月31日)問46

回復期の病棟では、患者ごとにリハビリテーション実施計画書か総合実施計画書を作っています。排尿の目標やケアの内容をそこに書き込めば、別の計画書を作らずにすみます。書き込む項目(排尿誘導、動作訓練、薬物療法など)は、チームと病棟で決めておくと、記載がそろいやすくなります。

5. 医師・看護師の研修

決まり医師の研修は、国か医療関係団体等が主催し、下部尿路機能障害の病態・診断・治療・予防・ケアを含み、通算6時間以上のものです。看護師の研修は、同じく国か医療関係団体等が主催し、排尿日誌による評価、エコーによる残尿測定、排泄用具の使用、骨盤底筋訓練、自己導尿の指導などの演習を含み、通算16時間以上のものです。

基本診療料の施設基準等の通知 別添3 第26の9 1(2)(3)

国の解釈平成28年の疑義解釈で示された研修に加えて、次の研修が当たるとされました。どの研修も、医師・看護師に共通の部分と看護師の部分に分かれていて、必要な部分をすべて受けることで要件を満たします。

疑義解釈資料(その5)(令和8年5月8日)問6。平成28年の研修は「疑義解釈資料(その1)」(平成28年3月31日)問97

6. 届出と、病棟での扱い

基本診療料の施設基準等の通知 別添3 第26の9 2、別添4 第11 7(1)。医科点数表 A308 注3、A308-3

病棟ごとに入院料の決まりがちがうので、算定の運用は、病院の医事課とそろえておくのがおすすめです。

7. 答えが出ていない点と、確かめ先

疑義解釈(令和8年度の その1〜その13、2026年9月25日まで、と令和2年度の その1)で、次の点の答えは見当たりませんでした。

確かめ先疑義解釈で答えが出ていないとき

病院の所在地を受け持つ地方厚生(支)局の医療課(指導監査課)に確かめるのがおすすめです。問い合わせた日・相手・答えを記録しておくと、病院の中で運用をそろえるときや、あとで説明するときに役立ちます。

新しい疑義解釈が出たら、このページに書き足します。

よくある質問

回復期リハビリテーション病棟の専従のPTが、排尿ケアチームのPTになれますか

病棟業務に専従することとされている職員は、排尿ケアチームを兼務できないとされています(疑義解釈資料(その1)(令和2年3月31日)問47)。チームのPT・OTは、病棟専従ではない専任の常勤職員から選ぶことになります。

排尿ケアチームのPT・OTに、研修は必要ですか

施設基準にPT・OTの研修の決まりはなく、「下部尿路機能障害を有する患者のリハビリテーション等の経験を有する専任の常勤理学療法士又は専任の常勤作業療法士」とされています(基本診療料の施設基準等の通知 別添3 第26の9)。研修の時間の決まりがあるのは、医師(6時間以上)と看護師(16時間以上)です。

包括的排尿ケアの計画書を、リハビリテーション実施計画書とは別に作る必要がありますか

計画の内容が、リハビリテーション実施計画書かリハビリテーション総合実施計画書に明記されていれば、併用してもよいとされています(疑義解釈資料(その1)(令和2年3月31日)問46)。

尿道カテーテルを入れ直した場合、算定はどうなりますか

初回の算定から12週以内であれば算定できる、という答えです(疑義解釈資料(その1)(令和2年3月31日)問44)。

回復期リハビリテーション病棟で、排尿自立支援加算は別に算定できますか

算定できます。回復期リハビリテーション病棟入院料に含まれる範囲から、排尿自立支援加算は外れています(医科点数表 A308 注3)。

出典・参考にした資料

出典を見る(8件)

個別の算定の判断は、告示・通知の原文と、地方厚生(支)局の案内で確かめることをおすすめします。