疾患別リハビリテーション料は、20分以上の個別療法を1単位として数え、患者1人につき1日6単位までです。回復期リハビリテーション病棟の患者(運動器リハを除く)や、急性発症した疾患の発症・手術などから60日以内の患者などは、1日9単位まで算定できます。療法士1人の側にも、1日18単位を標準とし、24単位を上限とする決まりがあります。
病院で疾患別リハを担当するリハビリ職と管理者に向けて、患者1人と療法士1人の上限を、告示・通知・疑義解釈の原文の場所をそえて整理します。令和8年度の改定で見直された「9単位の対象」もまとめます。
- 決まり告示(点数表・施設基準)と留意事項通知に書いてあること
- 国の解釈厚生労働省の疑義解釈資料で答えが示されていること
- 確かめ先疑義解釈で答えが出ていないこと。地方厚生(支)局に確かめるのがおすすめです
令和8年度診療報酬改定の医科点数表(第7部 通則)と、留意事項通知(第7部 通則)。
1. まず結論(早見表)
患者1人の上限
| 場面 | 算定できる単位数 |
|---|---|
| ふだん | 1日6単位まで(疾患別リハをすべて合わせて) |
| 別表第九の三の患者 | 1日9単位まで(回復期リハ病棟の患者〔運動器を除く〕、急性発症した疾患の発症・手術・急性増悪から60日以内の患者、病棟での早期歩行・ADLの訓練の患者) |
| 離床を伴わないリハの日(特定の患者) | 1日2単位まで(100分の90の点数) |
| 標準的算定日数を超えたあと | 1か月13単位まで(状態の改善が期待できる場合などを除く) |
| 病院の外での訓練(入院中) | どの患者も1日3単位まで。3単位を超えて必要な日の分は、入院中に合計3単位(9単位の患者は6単位)まで追加できる |
療法士1人の上限
| 場面 | 実施できる単位数 |
|---|---|
| 1日 | 18単位が標準、24単位が上限 |
| 1週(日曜〜土曜) | 108単位まで |
| リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の病棟の専従 | 疾患別リハ料等は1日9単位まで |
| 地域包括医療病棟の専従 | 疾患別リハ料等は1日6単位相当まで |
表は、横にずらして見られます。
2. 1単位=20分の数え方
決まり疾患別リハビリテーション料は、患者に20分以上、個別療法として訓練を行った場合を「1単位」として算定します。訓練の時間が1単位に満たない場合は、基本診療料に含まれます。
決まり次の時間は、訓練の時間に入りません。
- リハビリテーション実施計画書・総合実施計画書の作成と説明の時間
- リハビリテーションの記録の時間
- 個別療法のために移動する時間
- そのほか、患者に直接訓練を実施しなかった時間
たとえば、病室への迎えと訓練室への移動に5分、訓練に20分、記録に5分かかった場合、訓練の時間は20分です。訓練が18分で終わった日は、1単位になりません。
留意事項通知 別添1 第7部 通則5
3. 1日6単位と9単位
決まり疾患別リハビリテーション料は、患者1人につき1日6単位まで、「別に厚生労働大臣が定める患者」は1日9単位まで算定できます。上限は、疾患別リハビリテーション料をすべて合わせた単位数です。
医科点数表 第2章第7部 通則4、留意事項通知 別添1 第7部 通則7
9単位まで算定できる患者(別表第九の三)
決まり特掲診療料の施設基準等の別表第九の三に、次の3つが書かれています。
- 回復期リハビリテーション病棟入院料、または特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定する患者(運動器リハビリテーション料を算定するものを除く)
- 脳血管疾患等の患者のうち、発症日、手術日または急性増悪の日から60日以内のもの
- 入院中の患者で、その入院する病棟等で早期歩行、ADLの自立等を目的として、心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)、脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)、廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)または呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定するもの
2は「発症日、手術日又は急性増悪の日から六十日以内」という書き方になりました。3の対象からは、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)が外れました(令和6年度の疑義解釈で引用された別表では、3に運動器(Ⅰ)が入っていました)。
特掲診療料の施設基準等 別表第九の三(令和8年厚生労働省告示第71号)
2の「脳血管疾患等の患者」とは
国の解釈2の対象は、平成18年の疑義解釈(その3 問96)と同じと示されています。問96では、各疾患別リハの対象疾患のうち、急性発症したものとしています。脳血管疾患だけではありません。
| 疾患別リハ | 2に当たる患者(問96) |
|---|---|
| 心大血管 | 急性心筋梗塞、狭心症発作その他の急性発症した心大血管疾患、またはその手術後の患者 |
| 脳血管疾患等 | 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血その他の急性発症した脳血管疾患、またはその手術後の患者。脳腫瘍、脳膿瘍、脊髄損傷、脊髄腫瘍その他の急性発症した中枢神経疾患、またはその手術後の患者 |
| 運動器 | 上・下肢の複合損傷、脊椎損傷による四肢麻痺その他の急性発症した運動器疾患、またはその手術後の患者 |
| 呼吸器 | 肺炎、無気肺その他の急性発症した呼吸器疾患の患者。肺腫瘍、胸部外傷その他の呼吸器疾患、またはその手術後の患者 |
表は、横にずらして見られます。
国の解釈「手術日」の手術は、対象疾患に関連する手術であることに注意するよう示されています。
疑義解釈資料の送付について(その2)(令和8年4月1日)別添1 問68。問96の文は、令和6年3月28日の疑義解釈(その1)別添1 問112(令和8年に廃止)の参考に引用されたもの
回復期リハビリテーション病棟で運動器リハを行う患者
決まり回復期リハビリテーション病棟の患者でも、運動器リハビリテーション料を算定する患者は、1の対象から外れています。
国の解釈ただし、別表第九の三のほかの要件に当たる患者は、1日9単位を算定できます。回復期リハビリテーション病棟で運動器リハビリテーション料を算定する患者が2(発症日・手術日などから60日以内)に当たる場合は、1日9単位を算定できると示されています。
国の解釈回復期リハビリテーション病棟で、リハビリテーションの効果に係る実績が認められていることだけを理由に、運動器リハビリテーション料を1日9単位算定することはできません。
疑義解釈資料の送付について(その1)(令和6年3月28日)別添1 問111・問113、(その2)(令和8年4月1日)別添1 問68
3の「病棟等での早期歩行・ADLの自立等」とは
決まり訓練室以外の病棟等(屋外を含む)で、早期歩行の自立と、実用的な日常生活の諸活動の自立を目的として、実用歩行訓練・日常生活活動訓練が行われた患者です。平行棒内歩行、基本的動作訓練としての歩行訓練、座位保持訓練などだけを行っている患者は含まれません。
留意事項通知 別添1 第7部 通則7
回復期リハビリテーション病棟で、6単位を超える分が包括される場合
決まり回復期リハビリテーション病棟入院料等の病棟で、リハビリテーションの提供実績が相当程度あるのに、効果に係る実績(リハビリテーション実績指数)が基準に届かない場合は、その月以降、1日6単位を超える疾患別リハビリテーション料は入院料に包括されます。2の患者(発症日・手術日などから60日以内)に行ったものは除かれます。
留意事項通知 別添1 A308(13)
4. 同じ日に2つの疾患別リハを行うとき
決まり疾患別リハビリテーション料は、患者の疾患等を総合的に考えて、最も適当な区分1つで算定するのが原則です。
決まりただし、病態の異なる複数の疾患を持つ患者は、必要に応じて、それぞれの疾患別リハビリテーション料を算定できます。たとえば、ある疾患別リハを算定している間に新しい疾患が発症した場合は、新しい疾患の発症日などを起算日として、もう1つの疾患別リハビリテーション料も算定できます。
決まりこの場合も、1日の単位数は合わせて6単位(別表第九の三の患者は9単位)までです。たとえば運動器リハを4単位行った日に、呼吸器リハを3単位行うと、合わせて7単位になり、6単位の患者では上限を超えます。
医科点数表 第2章第7部 通則4、留意事項通知 別添1 第7部 通則7・通則8
5. 離床を伴わないリハの日
決まり入院中の患者に、ベッド上から移動せず、ポジショニングや拘縮の予防などの他動的な訓練だけを行った日(特定の患者に当たる日)は、所定点数の100分の90で、1日2単位までになります。通則の6単位・9単位の上限にかかわらず、2単位までです。
どんな日が特定の患者に当たるか、当たらない患者、疑義解釈の事例は、離床を伴わないリハビリテーションの記事にまとめています。
医科点数表 H000 注8、H001 注9、H001-2 注9、H002 注9、H003 注8
6. 病院の外と、標準的算定日数を超えたあと
病院の外で訓練するとき
決まり入院中の患者に、病院の外で、決められた訓練(道路の横断や電車・バスの乗り降りなどの移動手段の訓練、病院の中でできない復職の準備の訓練、買い物や居宅での家事の訓練)を、病院の従事者が行う場合は、疾患別リハとみなすことができます。保険外の患者負担(公共交通機関の運賃を除く)が発生しないことが条件です。
- 1日に3単位まで(6単位の患者も9単位の患者も同じ)
- 1日に3単位を超えて行う必要がある場合は、一連の入院期間で、さらに合計3単位(別表第九の三の患者は6単位)まで
- 訓練場所との行き帰りの時間は、実施時間に入らない
2つめの「合計3単位(9単位の患者は6単位)」は、1日の上限ではなく、入院している間に追加できる単位数の合計です。たとえば1日6単位が上限の患者で、ある日に病院の外で4単位行うと、3単位を超えた1単位を追加の分から使い、その入院中に追加できる残りは2単位になります。どの日も、疾患別リハ全体の1日6単位(9単位)の上限の中で数えます。
国の解釈退院前訪問指導で患者の家を訪ねたとき、指導とは別の時間に疾患別リハを行った場合は、退院前訪問指導料とは別に算定できます。ただし、病院の外で行える疾患別リハの上限単位数を超えないこと、とされています。くわしくは退院前訪問指導料の記事にまとめています。
留意事項通知 別添1 第7部 通則6、疑義解釈資料の送付について(その6)(令和8年5月22日)別添1 問14
標準的算定日数を超えたあと
決まり標準的算定日数(脳血管疾患等は180日など)を超えて行う疾患別リハは、要介護被保険者等以外の患者と、入院中の要介護被保険者等に、1か月13単位まで算定できます。治療を続けることで状態の改善が期待できると医学的に判断される場合などは、標準的算定日数を超えても所定点数で算定できます。
ご家族向けには、外来リハビリの期限を過ぎたら?で、この決まりと、そのあとの選択肢をまとめています。
医科点数表 H001 注1・注6・注7(ほかの疾患別リハも同じ形の注があります)
7. 療法士1人の上限
決まり疾患別リハの実施単位数は、従事者1人につき1日18単位を標準とし、1週108単位までです。1日の上限は24単位です。
- 集団コミュニケーション療法の単位数も、合わせて数えます。
- 心大血管疾患リハを集団療法で行う場合は、実際に従事した時間20分を1単位とみなして数えます。
- 疾患別リハを担当する専従の従事者は、疾患別リハと集団コミュニケーション療法以外の特掲診療料の業務(施設基準の通知に書かれた業務)に実際に従事した時間も、合わせて20分以上なら20分を1単位とみなして、上の単位数に加えて数えます。
決まり点数表で「週」単位とされているものは、特に定めのない限り、日曜日から土曜日までの1週間を単位とします。
国の解釈108単位の「1週」も、これと同じで、日曜日から土曜日までです。病院ごとに起算の曜日を決めてよいという決まりや解釈は、見当たりません。
留意事項通知 別添1 第7部 通則5の2・5の3、第1部 初・再診料 通則6、疑義解釈資料の送付について(その1)(令和8年3月23日)問38
病棟に専従で配置された療法士
決まり病棟に専従で配置された療法士は、病棟の患者全員のADLの維持・向上などの指導を行うため、疾患別リハビリテーション料等を算定できる単位数がさらに少なくなっています。
- リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の病棟の専従:1日9単位を超えて算定できない
- 地域包括医療病棟の専従:1日6単位相当を超えて算定できない
国の解釈リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の病棟の専任の療法士も、ほかの病棟での疾患別リハを含めて、1日9単位を超えて算定できません。
留意事項通知 別添1 A233(2)、A304(7)、疑義解釈資料の送付について(その1)(令和6年3月28日)別添1 問63
8. 答えが出ていない点と、確かめ先
2026年10月24日の時点で、次の点は、疑義解釈(令和8年度のその1〜その13)で答えが示されていません。自分たちの解釈で言い切らないのがおすすめです。
- 確かめ先20分を、午前と午後に分けて合わせる、または理学療法士と作業療法士が10分ずつ行って合わせる場合(通知は「20分以上個別療法として訓練を行った場合」とだけ書いています)
- 確かめ先同じ日に2つの疾患別リハを行い、片方の疾患だけが別表第九の三の2(60日以内)に当たる場合の、1日の上限
- 確かめ先同じ日に、病棟での実用歩行・ADLの訓練と、訓練室での基本動作の訓練の両方を行った場合に、別表第九の三の3に当たるか
病院の所在地を受け持つ地方厚生(支)局の医療課(指導監査課)に確かめるのがおすすめです。問い合わせた日・相手・答えを記録しておくと、病院の中で運用をそろえるときや、あとで説明するときに役立ちます。
新しい疑義解釈が出たら、このページに書き足します。毎月はじめに、厚生労働省と地方厚生局の資料を確かめて直します。
よくある質問
回復期リハビリテーション病棟で運動器リハを算定する患者は、9単位を算定できますか
別表第九の三のほかの要件に当たる場合は、算定できます。発症日・手術日などから60日以内の患者に当たる場合は、1日9単位を算定できると示されています(令和6年度 疑義解釈その1 問111、令和8年度 疑義解釈その2 問68)。
回復期リハビリテーション病棟の実績があれば、運動器リハを9単位算定できますか
算定できません。実績が認められていることだけをもって、運動器リハビリテーション料を1日9単位算定することにはなりません(令和6年度 疑義解釈その1 問113)。
療法士の週108単位の「週」は、何曜日から数えますか
日曜日から土曜日までを1週として数えます(令和8年度 疑義解釈その1 問38)。
病院の外での訓練は、9単位の患者なら1日6単位まで行えますか
1日6単位までではありません。病院の外で行えるのは、どの患者も1日3単位までです。3単位を超えて行う必要がある日の分は、一連の入院期間で合計3単位(別表第九の三の患者は6単位)まで追加できます(留意事項通知 第7部 通則6)。
退院前訪問指導で家を訪ねた日に、別の時間で疾患別リハを行ったら算定できますか
退院前訪問指導料とは別に算定できます。ただし、病院の外で行える疾患別リハの上限単位数を超えないこととされています(令和8年度 疑義解釈その6 問14)。
出典・参考にした資料
出典を見る(10件)
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」:告示・通知・疑義解釈資料の一覧。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- 「診療報酬の算定方法の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表:第2章第7部 通則4(最も適当な区分1つ、1日6単位・9単位)、H001 注1・注6・注7(標準的算定日数と1か月13単位)、各区分の離床を伴わないリハの注。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 「特掲診療料の施設基準等の一部を改正する件」(令和8年厚生労働省告示第71号):別表第九の三(第二章第七部リハビリテーション通則第4号に規定する患者)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001675855.pdf
- 「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日保医発0305第6号)別添1(10月7日の訂正後):第1部 通則6(週の数え方)、第7部 通則5・5の2・5の3・6・7・8、A233(2)、A304(7)、A308(13)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001757385.pdf
- 「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和8年3月23日事務連絡):問38(週108単位の「週」)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001678310.pdf
- 「疑義解釈資料の送付について(その2)」(令和8年4月1日事務連絡)別添1:問68(別表第九の三の2の対象、回復期で運動器リハを算定する患者、令和6年 問112の廃止)。2026年10月確認 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/chugokushikoku/000480755.pdf
- 「疑義解釈資料の送付について(その6)」(令和8年5月22日事務連絡)別添1:問14(退院前訪問指導と疾患別リハ)。2026年10月確認 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/chugokushikoku/000485007.pdf
- 「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和6年3月28日事務連絡)別添1:問63(連携体制加算の病棟の専任の療法士)、問111・問113(回復期の運動器リハと9単位)、問112の参考(平成18年 その3 問96)。2026年10月確認 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001237675.pdf
- 中国四国厚生局「医療保険関係通知(令和8年度)」:疑義解釈資料(その1〜その13)と訂正の一覧。2026年10月確認 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/chugokushikoku/newpage_00855.html
- 九州厚生局「診療報酬改定に関する疑義解釈資料について」:令和6年度の疑義解釈の一覧。2026年10月確認 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kyushu/iryo_shido/shinryohoshu_gigikaisyaku.html
個別の算定の判断は、告示・通知の原文と、地方厚生(支)局の案内で確かめることをおすすめします。