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片脚立位(開眼片足立ち)の
基準値と判定

開眼片脚立位/開眼片脚起立/開眼片足立ち/片足立ち時間/片脚立位時間/運動器不安定症/バランス・転倒のおそれ

片脚で立っていられた秒数を入れると、15秒・5秒の目安と、65歳以上の年代別の5段階の目安との位置がわかります。A4の記録用紙(PDF)もダウンロードできます。入力した数値は、お使いの端末の外には送信されません。

監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)

対象:理学療法士・作業療法士などのリハビリ職、養成校の学生

判定する

A4の記録用紙(PDF)をダウンロード左右・2回ずつの記入欄、終わった理由、測り方の要点、基準つき。印刷して、現場でペンで記入できます。記録用紙をダウンロード(PDF)
用紙の見本を見る片脚立位の記録用紙の見本(A4・左右の記入欄、終わった理由、測り方の要点、基準つき)画像を押すと拡大します
秒

左右それぞれ2回ずつ測ったうち、いちばんよい記録を入れます。

秒数を入れると、ここに判定が出ます。

片脚立位の基準値と目安

片脚立位(開眼片脚起立)は、片脚で何秒立っていられるかを測る、バランスと下肢の力の簡単な検査です。年齢とともに短くなり、測り方によって秒数が変わるため、数字は目安として使います。

年代別の5段階の目安(65歳以上)

地域で暮らす高齢者の測定データをもとに、年代ごとに、秒数を5つの区分に分けた表です。★の数は点数や評価ではなく、区分の順番です(★1が短い側、★5が長い側)。介入の前後で対象者に結果を伝えるときなどの参考値とされています。単位は秒です。

年代平均±標準偏差★1★2★3★4★5
65〜69歳40.8±20.717.0以下17.1〜37.037.1〜60.060.0超60.0超
70〜74歳32.5±21.610.0以下10.1〜20.020.1〜39.039.1〜60.060超
75〜79歳25.5±19.96.0以下6.1〜14.014.1〜27.027.1〜48.048.0超
80歳以上16.2±17.93.0以下3.1〜6.06.1〜12.012.1〜25.025.0超

表は横にスクロールできます

65〜69歳の★4と★5は、どちらも「60.0秒超」と示されています。このページでは、65〜69歳で60秒を超えたときは「★4〜★5」と表示します。男女別の値はありません。

★の読み方と、記録・報告での書き方
  • 平均が入る区分は、65〜79歳では★3、80歳以上では★4です。★1・★2は平均より短い側、それより上は平均より長い側の区分です。
  • ★の数は、順番を示すものです。「★3だから普通」「★2だから問題」と決める数字ではありません。
  • 記録や報告では、★の数だけでなく、秒数・年代・平均との差を書くのがおすすめです。同じ条件で測った前回の秒数との比較も、あわせて書けます。
  • 書き方の例:「開眼片脚立位 15.0秒(70〜74歳。平均32.5秒より17.5秒短い。5段階の目安では下から2つ目の区分)」

出典:厚生労働省「介護予防マニュアル 第4版」別添資料2-4「年齢別体力基準値表」(令和4年3月)を加工して作成。ページ

15秒未満(運動器不安定症の診断基準)

運動器不安定症は、高齢化にともなって運動機能が落ちる運動器の病気により、バランスや歩く力が落ちて、閉じこもりや転倒のおそれが高まった状態です。日本整形外科学会などの3学会が診断基準を定めていて、運動機能の項目のひとつが「開眼片脚起立 15秒未満」です(もうひとつは3m TUG 11秒以上)。

条件内容
運動器の病気脊椎圧迫骨折・各種の脊柱変形、下肢骨折(大腿骨頚部骨折など)、骨粗鬆症、変形性関節症、腰部脊柱管狭窄症、脊髄障害、神経・筋疾患、関節リウマチ・各種関節炎、下肢切断後、長期臥床後の運動器の廃用、高頻度転倒者の11種類のどれかの既往があるか、罹患している
日常生活自立度ランクJ(生活自立・独力で外出できる)またはA(準寝たきり・介助なしには外出できない)に相当する
運動機能開眼片脚起立 15秒未満、または 3m TUG 11秒以上のどちらか

表は横にスクロールできます

診断は、この3つをあわせて行われます。15秒未満だけでは決まりません。2015年12月の改定で、運動器の病気が原因であることと、日常生活自立度の条件が明確になりました。

15秒という値は、埼玉医科大学の調査(坂田、2007年。地域で暮らす高齢者977人)で、75歳代の転倒した方の平均にほぼ相当する値とされています。

坂田(2007年)の調査開眼片脚起立(平均)
65歳代44秒
70歳代31秒
75歳代21秒
80歳代11秒
75歳代・転倒した方男性18.4秒/女性16.8秒
75歳代・転倒していない方男性23.9秒/女性24.6秒

出典:日本整形外科学会「運動器不安定症」。ページ。上の年代別の目安(介護予防マニュアル)とは、対象と測り方が異なるため、数字は一致しません。

5秒と、けがを伴う転倒(Vellasら、1997年)

米国の地域で暮らす、60歳超の健康なボランティア316人(平均73歳)を3年追った研究です。片脚で、支えなしに5秒立てるかをみました。

結果数字
はじめに5秒立てた方84.5%
3年間に転倒した方71%
3年間に、けがを伴う転倒をした方22%
5秒立てない方の、けがを伴う転倒の相対リスク2.13(95%信頼区間1.04〜4.34)

転倒全体を予測したのは、73歳超という年齢だけでした。5秒立てないことは、けがを伴う転倒の予測に限って、唯一の有意な要因でした。著者らは、さまざまな要因が関わるため、一つの検査だけで転倒のリスクを決めることはできないとしています。日本の基準ではありません。出典:論文

片脚立位は、バランスと下肢の力をみる検査で、日常で実際に転ぶかどうかとは別です。基準値は、対象者や測り方によって違い、一つの秒数だけでは転倒のリスクを決められません。同じ条件で測った秒数を前回と比べて、経過をみるのに向いています。

測り方の要点

  1. 場所:靴か素足で、滑らない配慮をして、ある程度固いしっかりした床で行います。
  2. 安全:転びそうになったら、すぐにつかまれる物のそばで行います。検者がそばに立って、倒れそうなときに支える体制でも行えます。
  3. 姿勢:両手を腰に当て、片脚を床から5cmほど上げて、立っていられる時間を測ります。
  4. 終わり:体が大きく揺れて倒れそうになったとき、上げた足が床についたときまでを測ります。立ち足がずれたときも終わりにします。
  5. 回数:1〜2回練習してから、左右それぞれ2回ずつ測り、いちばんよい記録を使います。
  6. 上限:運動器不安定症の検査としては、60秒程度まで測れば十分とされています。60秒立ち続けたときは、そこで止めます。

出典:日本整形外科学会「運動器不安定症」の「運動機能の検査法」。ページ

秒数のほかに、体の揺れ方を見る

片脚立位では、秒数のほかに、次のことを見ます。

  • 体の揺れが、足首(足関節)・股関節・体幹のどこで起きているか
  • バランスが崩れたときの立ち直り反応があるか
  • 頸部(首)の動き

高齢の方では15秒に届かない方も多く、転倒のおそれがあります。病院や施設では、まずは平行棒の中で行うと安全です。

よくある質問

15秒未満だと、運動器不安定症ですか?

15秒未満だけでは決まりません。診断基準は、3つがそろったときに当てはまる形です。①高齢化にともなって運動機能が落ちる11の運動器疾患・状態(脊椎圧迫骨折、下肢骨折、骨粗鬆症、変形性関節症など)の既往があるか、罹患している。②日常生活自立度がランクJ(独力で外出できる)またはA(介助なしには外出できない)に相当する。③運動機能が、開眼片脚起立15秒未満、または3m TUG 11秒以上のどちらか。2015年12月に改定されました。

何秒まで測ればよいですか?

日本整形外科学会の運動器不安定症の説明では、最長2分や3分まで測った報告があるものの、不安定症の検査としては60秒程度まで測れば十分とされています。このページの年代別の目安も、60秒までの区分です。60秒立ち続けられたときは、そこで止めて、「60秒立ち続けた」にチェックを入れます。

5秒立てないと、転びやすいのですか?

米国の地域で暮らす60歳超の健康な方316人を3年追った研究(Vellasら、1997年)で、片脚で5秒立てなかった方は、けがを伴う転倒の相対リスクが2.13(95%信頼区間1.04〜4.34)でした。一方、転倒全体は予測せず、著者らは、この検査だけで転倒のリスクを決めることはできないとしています。日本の基準ではありません。

65歳未満の方は、年代別の目安で見られますか?

年代別の目安は、65歳以上の区分です。65歳未満の方は、秒数と15秒・5秒の目安だけが出ます。15秒の基準は、運動器の病気があり、日常生活自立度がランクJ・Aの方を対象にした診断基準の一部です。

出典・参考にした資料

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