TUGの判定と
カットオフ値一覧
Timed Up and Go テスト/運動器不安定症・転倒予測・国際ガイドライン・年代別の平均
TUGの秒数を入れると、主なカットオフ値との関係をまとめて表示します。年代別の平均値との比較や、前回との差も確認できます。入力した数値は、お使いの端末の外には送信されません。
監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)
対象:理学療法士・作業療法士などのリハビリ職、養成校の学生
判定する
くらべる(任意):年代の平均、前回の結果、条件の記録
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TUGのカットオフ値一覧
TUGの主なカットオフ値です。数値は各資料で確かめ、表は当サイトでまとめ直しています。くわしい条件は、リンク先の原典で確認できます。
| カットオフ | 使われ方・対象 | 出典 |
|---|---|---|
| 9秒以上 | 地域在住の高齢者(平均71.7歳、4,335人)で、2年後までの要介護認定(disability)の発生を予測する値 | Makizakoら(2017年) 論文 |
| 11秒以上 | 運動器不安定症(MADS)の機能評価基準の一つ。もう一つは開眼片脚起立時間15秒未満 | 日本整形外科学会ほか 日本整形外科学会 |
| 12秒以上 | 米国CDCの転倒予防プログラム(STEADI)で、転倒のおそれがあるとする目安 | CDC STEADI 資料 |
| 13.5秒以上 | 地域在住の高齢者で、転倒する人を見分ける値(感度87%・特異度87%、的中率90%) | Shumway-Cookら(2000年) 論文 |
| 15秒超 | 転倒予防の国際ガイドラインで、転倒のおそれを層別化する値(歩行速度が使えない場合の代わりの指標) | 転倒予防の国際ガイドライン(2022年) 論文 |
| 14.5秒以上 (TUG manual) | 水の入ったコップを持って行うTUGで、転倒する人を見分ける値(的中率90%) | Shumway-Cookら(2000年) |
| 15.0秒以上 (TUG cognitive) | 数を逆から数えながら行うTUGで、転倒する人を見分ける値(的中率87%) | Shumway-Cookら(2000年) |
表は横にスクロールできます
年代別の平均(健康な高齢者)
21の研究をまとめた平均値です。かっこ内は95%信頼区間で、この上限を超えると平均より遅いと考えられます(Bohannon、2006年)。
| 年代 | 平均 | 95%信頼区間 |
|---|---|---|
| 60代 | 8.1秒 | 7.1〜9.0秒 |
| 70代 | 9.2秒 | 8.2〜10.2秒 |
| 80〜99歳 | 11.3秒 | 10.0〜12.7秒 |
カットオフ値は、対象者(地域在住か、入院中か、病気の種類)や、速さの指示(ふだんの速さか、できるだけ速くか)、測る回数によって違います。一つの値だけで判断せず、同じ条件で測った結果を前回と比べて、経過をみるのに向いています。
測り方の要点
- 環境:ひじ掛けのあるいす(原法では座面の高さ約46cm、ひじ掛けの高さ約65cm)を用意し、3m先に折り返しの目印を置きます。
- 開始姿勢:背もたれに背をつけて座り、腕はひじ掛けに置きます。ふだん使っている履物と補助具のままで行います。
- 手順:合図で立ち上がり、3m歩いて目印を回り、戻っていすに座るまでの時間を測ります。
- 速さの指示:原法は「ふだんの速さ」です。「できるだけ速く」で測る方法もありますが、カットオフ値と比べるときは、その値がどちらの条件かを確認します。
- 記録:補助具、履物、速さの指示、練習の有無をそろえて記録し、次回も同じ条件で測ります。
- 安全に配慮する:転倒のおそれがある場合は、すぐ支えられる位置で付き添います。
秒数のほかに、動きを見る
TUGでは、秒数と一緒に方向転換のふらつきを確かめます。見る場面は2か所です。
- 折り返しのUターン:回るときに足がもつれないか、体が外へ振られないか。
- いすに座る前の向き直り:背を向けて座るまでの間に、ふらつきや座り込みがないか。
同じ秒数でも、この2か所のふらつきの程度で、転倒の起こりやすさの見立ては変わります。秒数がカットオフ値の内側でも、方向転換で不安定さがあれば、結果欄の数字だけで安心せず、メモに書き残しておきます。
よくある質問
運動器不安定症の基準は、TUGだけで判定しますか?
いいえ。機能評価基準(TUG 11秒以上、または開眼片脚起立時間15秒未満)に加えて、日常生活自立度の判定と、対象となる11の運動器の病気・状態のいずれかに当てはまることが条件です。
補助具を使っても、カットオフ値と比べてよいですか?
原法では、ふだん使っている補助具のまま行います。ただし、研究によって対象者の補助具の使用状況は違います。補助具の有無を記録し、次回も同じ条件で測るのが基本です。
何回測りますか?
研究によって、1回だけ測るもの、練習のあとに数回測って平均や最速をとるものがあります。カットオフ値と比べるときは、その研究の方法に近い測り方にそろえます。
出典・参考にした資料
- Podsiadlo D, Richardson S. The timed "Up & Go": a test of basic functional mobility for frail elderly persons. J Am Geriatr Soc. 1991;39:142-148.:TUGの原法(ひじ掛けのあるいす、3m、ふだんの速さ) 論文
- Makizako H, et al. Predictive cutoff values of the five-times sit-to-stand test and the timed "up & go" test for disability incidence in older people dwelling in the community. Phys Ther. 2017;97:417-424.:TUG 9秒以上、5回立ち上がり10秒以上 論文
- 日本整形外科学会「運動器不安定症」:機能評価基準(3m TUG 11秒以上、開眼片脚起立時間15秒未満)と対象となる11の病気・状態 Web
- Shumway-Cook A, et al. Predicting the probability for falls in community-dwelling older adults using the Timed Up & Go Test. Phys Ther. 2000;80:896-903.:13.5秒以上(TUG manual 14.5秒以上、TUG cognitive 15.0秒以上) 論文
- Montero-Odasso M, et al. World guidelines for falls prevention and management for older adults: a global initiative. Age Ageing. 2022;51(9):afac205.:TUG 15秒超 論文
- Bohannon RW. Reference values for the timed up and go test: a descriptive meta-analysis. J Geriatr Phys Ther. 2006;29:64-68.:年代別の平均と95%信頼区間 論文
- 米国疾病予防管理センター(CDC)STEADI「Timed Up and Go (TUG)」:12秒以上を転倒のおそれの目安とすること PDF
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