毎日のお世話、本当にお疲れさまです。「少し休みたい」「自分の用事を済ませたい」と思うことは、介護を続けていれば自然なことです。そんなときに使える介護保険のサービスの一つが、ショートステイです。
ショートステイは、自宅で介護を受けている方が、数日などの短い期間、施設に泊まるサービスです。ご本人のための場であると同時に、介護するご家族が休むためにも使えます。
この記事では、2つの種類、使える人、使える日数のきまり、費用、探し方と申し込みの流れを順に見ていきます。日数や手続きには、市区町村や施設によって違う部分があります。数字は、制度上のきまりとして読んでください。
- ショートステイは、介護保険の短期入所サービス。ご家族が休むためにも使える。「休みたい」と相談してよい
- 種類は2つ。生活介護(特養など)と、医療や看護もある療養介護(老健・病院など)。要支援1・2、要介護1〜5の方が対象
- 使える日数は、連続30日まで。31日目からは全額自己負担。保険を使える日数は、認定期間の「おおむね半数」が目安
- 自己負担は1〜3割。食費・滞在費などは別にかかる。月の限度額を超えた分は全額自己負担
- 探し方も申し込みも、まずケアマネジャーに相談するのがおすすめ。事業所は「介護サービス情報公表システム」でも探せる
- 施設では個別のリハビリがないことも多く、動きが落ちる場合がある。家での動き方を伝えておき、帰宅後の変化は専門職に相談する
1. ショートステイとは
家族が休むための、短期の宿泊サービスです
ショートステイは、数日などの短い期間、介護施設に泊まって、食事や入浴などの支援を受けるサービスです。厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」では、目的として、家族の介護の負担を軽くすることと、ご本人の孤立感の解消や心身の機能の維持・回復が挙げられています。
毎日続く介護の中で、「まとまって眠りたい」「少し離れてゆっくりしたい」と感じるのは自然なことです。ご家族の心と体の余裕は、介護を長く続けるうえでも大切にしたいことです。

介護保険のサービスの一つです
ショートステイは、介護保険を使って利用できます。正式な名前は「短期入所生活介護」と「短期入所療養介護」です。要支援の方が使うときは、頭に「介護予防」が付きます。
ショートステイは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで提供されています。施設の種類は退院先の介護施設の種類で紹介しています。
「休みたい」と相談してよいサービスです
「家族が休みたいから預ける」ことに、ためらいを感じる方もいるかもしれません。公表されている使う場面には、ご家族の病気、冠婚葬祭、出張のほか、ご家族の身体的・精神的な負担を軽くする必要があるときも挙げられています。
「少し疲れてきた」「数日だけ、ゆっくり眠りたい」という理由でも、まずケアマネジャーに相談してみるのがおすすめです。
2. 2つの種類
生活介護と療養介護は、泊まる場所と内容が違います
ショートステイは、泊まる場所によって、大きく2つに分かれます。

| 短期入所生活介護 | 短期入所療養介護 | |
|---|---|---|
| 泊まる場所 | 特別養護老人ホームなど | 医療機関、介護老人保健施設、介護医療院 |
| 主な内容 | 入浴や食事などの日常生活の支援、機能訓練など | 日常生活の世話に加えて、医療、看護、機能訓練など |
| 対象 | 要支援1・2、要介護1〜5の認定を受けた方 | |
| 連続して使える日数 | 30日まで | |
療養介護は、医療や看護が入る分、医療的なケアがある方の選択肢になることがあります。ただし、どの施設でも同じように受け入れているわけではありません。受け入れの条件は施設によって違うので、まず相談してみるのがおすすめです。
どちらが合うかは、ケアマネジャーに相談します
ご本人の体の状態や、医療的なケアの有無で、合う種類は変わります。ご家族だけで決めようとせず、担当のケアマネジャーに、ご本人の様子とご家族の希望を伝えて、一緒に考えてもらうのがおすすめです。
まだケアマネジャーが決まっていないときは、地域包括支援センターと居宅介護支援の違いが参考になります。
3. どんな人が、どんなときに使えるか
要支援1・2、要介護1〜5の方が対象です
ショートステイを使えるのは、介護保険の認定を受けている方です。要支援1・2の方は「介護予防短期入所」のサービスを、要介護1〜5の方は「短期入所」のサービスを使います。
家族の用事や疲れ、ご本人の状態で使えます
公表されている使う場面は、ご本人の心身の状態や病状が悪いとき、ご家族の病気、冠婚葬祭、出張、ご家族の身体的・精神的な負担を軽くする必要があるときなどです。
ご家族の「休みたい」は、使ってよい理由の一つです。
ご本人にとっての役割もあります
ショートステイには、自宅で過ごす時間が多い方の孤立感をやわらげたり、心身の機能を保ったりする目的もあるとされています。外に出なくなった、横になる時間が増えたという様子があるときは、親が出かけなくなった・横になる時間が増えたらも参考になります。
宿泊ではなく、日中の数時間だけ通うほうが合う方もいます。デイケアとデイサービスの選び方は、デイケアとデイサービス、どちらが合う?で確かめられます。
4. どのくらい使えるか(日数のきまり)
連続して使えるのは、30日までです
ショートステイには、日数のきまりがあります。まず、連続して使えるのは30日までです。31日目以降も続けて使った分は、介護保険の対象にならず、全額が自己負担になります。
保険を使える日数は、認定期間の「おおむね半数」が目安です
もう一つのきまりが、認定有効期間(要介護認定を受けてから、次の更新までの期間)のおおむね半数を超えないことです。半数は、認定有効期間の日数を2で割って求めます。たとえば、認定の期間が12か月(約365日)なら、半数は182日という例があります。
ご本人の状態が悪くなったときや、介護するご家族が急に病気になったときなどで、半数を超える必要が出たときは、ケアマネジャーが市区町村に早めに相談して、手続きをします。ただし、半数を超えて認められても、連続30日の上限は変わらないとされています。
実際に使える日数は、ケアプランや施設の状況で変わります
30日や半数というのは、制度上のきまりです。実際に何日使えるかは、ご本人のケアプラン(介護サービスの計画)や、施設の受け入れ状況などで変わります。市区町村によって手続きの細かい部分も違うため、担当のケアマネジャーに確認するのが確実です。
5. 費用について
介護サービスの費用は、1〜3割の自己負担です
ショートステイの介護サービスにかかる費用は、1割(一定以上の所得がある方は2割または3割)の自己負担です。金額は、要介護度や施設の種類によって違います。
食費・滞在費などは、別にかかります
| かかるもの | 内容 |
|---|---|
| 介護サービス費 | 介護保険の自己負担(1〜3割)。要介護度や施設の種類で違う |
| 食費 | 介護保険のサービス費とは別に、利用する方が負担する |
| 滞在費(居住費) | 同じく別に負担する。部屋の種類(個室・多床室など)で違う |
| 日常生活費 | 理美容代など。施設によって違う |
食費と滞在費の金額は、所得の段階、施設、部屋の種類によって違います。2026年8月に、この基準の見直しがありました。くわしい金額は、ケアマネジャーや、利用する施設、市区町村の窓口で確認するのがおすすめです。
月の限度額を超えた分は、全額自己負担です
自宅で使う介護保険のサービスには、要介護度ごとに、1か月に使える上限(支給限度額)があります。ショートステイも、訪問介護やデイサービスなどと合わせて、この限度額の中で使います。限度額の範囲内なら1〜3割の自己負担ですが、超えた分は全額自己負担です。
サービスを組み合わせたときの目安は、介護サービスの自己負担シミュレーターで試せます。
収入が少ないときに、負担を軽くする仕組みがあります
低所得の方には、ショートステイの食費と滞在費の負担を軽くする補足給付(特定入所者介護サービス費)があります。世帯全員が市町村民税非課税であること、預貯金などが基準以下であることなどが条件とされています。対象になるときは、市区町村の介護保険の窓口に申請して、負担限度額認定を受けます。
ケアマネジャーや施設が、申請を手伝ってくれることもあります。また、1か月の介護サービスの自己負担が大きくなったときのための高額介護サービス費という仕組みもあります。対象になるかどうかは、市区町村の窓口で確認するのがおすすめです。
6. どこで受けられるか、申し込みの流れ
まずは、ケアマネジャーに聞いてみます
「どこで受けられるのか」は、ご家族からよくある疑問です。まずは、担当のケアマネジャーに「ショートステイを使いたい」と伝えてみるのがおすすめです。ご本人の状態に合う施設を、一緒に探してもらえます。
ケアマネジャーがまだ決まっていないときは、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談できます。
自分でも、事業所を調べられます
厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、お住まいの地域の介護事業所を調べられます。「短期入所生活介護」「短期入所療養介護」で探すと、ショートステイを行っている事業所が見つかります。
使いたい時期の空きや、医療的なケアを受け入れているかなどは、事業所によって違います。気になる施設が見つかったら、ケアマネジャーに伝えると、問い合わせや調整を進めてもらいやすくなります。
申し込みの流れ(例)
- 相談するケアマネジャーに、使いたい理由と、希望の時期を伝えます。
- 施設を探すご本人の状態に合う施設を、一緒に探します。空きの状況も、ここで確認します。
- ケアプランに入れる多くの場合、ケアマネジャーがショートステイを介護サービスの計画に位置づけます。
- 利用する施設に泊まります。持ち物や、ご本人の様子の伝え方は、施設から案内があります。
- 帰宅後の様子を伝える使ってみてどうだったかを、ケアマネジャーに伝えます。
手続きの多くは、ケアマネジャーや施設が手伝ってくれます。ご家族がすべてを自分で準備する必要はありません。退院後にショートステイを使いたいときは、退院前カンファレンスで確認したいことの場で、ケアマネジャーに伝えておくのも一つの方法です。
初めてのときは、短い日数から試す方法もあります
ご本人が施設に慣れるか心配なときは、初めは短い日数から使ってみる、という選び方もあります。少しずつ場所やスタッフに慣れることで、ご本人もご家族も安心しやすくなります。
7. 使うときの工夫、動きのこと、レスパイト入院との違い
疲れ切る前に、早めに相談する
ショートステイは、使いたい日に、必ず空いているとは限りません。ご家族が「もう限界」となる前に、「来月、数日だけ休めないか」と、早めにケアマネジャーに相談しておくのがおすすめです。
ふだんの様子を、施設に伝えておきます
ご本人が施設で落ち着いて過ごせるように、家での様子を伝えておくと安心です。好きな食べ物や、ふだんの過ごし方、眠る時間などです。あわせて、家での動き方も伝えておくのがおすすめです。トイレまでどうやって移動しているか、立ち上がるときに何につかまっているか、などです。

機能訓練は、施設によって内容が違います
ショートステイでは、機能訓練などを行うとされています。ただ、その内容は施設によって違い、理学療法士などによる一人ひとりに合わせた個別のリハビリは、ないことも多いです。気になるときは、申し込みの前に、ケアマネジャーや施設に確認するのがおすすめです。
動きが落ちたように感じたら

ショートステイのあとに、「いつもより立ち上がりがふらつく」「歩く量が減った」と感じるご家族に出会うことがあります。施設では、個別のリハビリがないことも多く、いすやベッドで過ごす時間が長くなりやすいためです。自宅のように、トイレや食卓まで自分で動く機会が減ることも関係します。
だからといって、利用を控えたほうがよい、ということではありません。ご家族が休むことは、介護を長く続けるために大切です。利用の前に、家での動き方を施設に伝えておくと、施設の方も、ご本人が動きやすい場面を考えやすくなります。帰ってきてから動きが変わったと感じたときは、数日ほど様子を見て、ケアマネジャーやリハビリ職に相談するのがおすすめです。あわせて、いつもの席に座る、好きな家事を手伝うなど、ふだんの生活の中で動く機会を戻していくことも、助けになる場合があります。
使ったあとの様子を、専門職に伝える
使ってみて気になったことは、ケアマネジャーに伝えておくと、次に使うときの調整がしやすくなります。ご本人の様子が、利用の前後で変わったと感じたときも、あわせて伝えておくと安心です。リハビリ職に相談するときのサービスの違いは、訪問リハビリと通所リハビリの違いと選び方が参考になります。

レスパイト入院との違い
同じように、ご家族の休息を目的に使えるものに、レスパイト入院があります。ショートステイは介護保険を使って介護施設に泊まるサービスで、レスパイト入院は医療保険を使って病院に入院する仕組みです。
医療的なケアが多く、ショートステイでは受け入れが難しいときに、レスパイト入院の対象になりやすいとされています。ショートステイの中にも、老健など、ある程度の医療的なケアに対応できる施設があります。どちらが合うかは、ケアマネジャーや主治医に相談して、使い分けるのがおすすめです。
8. よくある質問
ショートステイは、どのくらい使えますか
制度のきまりとして、連続して使えるのは30日までで、31日目からは全額自己負担になります。また、保険を使える日数は、認定有効期間のおおむね半数が目安です。
実際に何日使えるかは、ケアプランや施設の状況で変わります。市区町村によって手続きも違うので、ケアマネジャーに確認するのがおすすめです。
ショートステイは、どこで受けられますか
生活介護は特別養護老人ホームなど、療養介護は医療機関や介護老人保健施設、介護医療院などで行われています。
まずは担当のケアマネジャーに相談するのがおすすめです。自分で調べるときは、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で、地域の事業所を探せます。
レスパイト入院とは、何が違いますか
ショートステイは介護保険を使う「介護施設への短期入所」、レスパイト入院は医療保険を使う「病院への入院」です。
医療的なケアが多く、ショートステイでは受け入れが難しい方が、レスパイト入院の対象になりやすいとされています。どちらが合うかは、ケアマネジャーに相談するのがおすすめです。
要支援でも使えますか
はい、使えます。要支援1・2の方は、「介護予防短期入所」のサービスを使います。食事や入浴の支援、機能訓練などが行われます。
まずは、担当のケアマネジャーや、地域包括支援センターに相談してみるのがおすすめです。
費用は、どのくらいかかりますか
介護サービスの費用は、1〜3割の自己負担です。これとは別に、食費、滞在費、日常生活費がかかります。月の限度額を超えた分は全額自己負担です。
食費と滞在費の金額は、所得の段階、施設、部屋の種類で違い、2026年8月に基準の見直しがありました。低所得の方は、市区町村で負担限度額認定を受けると、負担が軽くなる場合があります。くわしくは、ケアマネジャーや市区町村の窓口で確認するのがおすすめです。
ショートステイ中に、リハビリは受けられますか
個別のリハビリは、ないことも多いです。機能訓練などを行うとされていますが、内容は施設によって違います。
気になるときは、申し込みの前にケアマネジャーや施設に確認するのがおすすめです。家での動き方を伝えておくことや、帰宅後に動きが変わったときにリハビリ職へ相談することも、助けになります。
出典・参考にした資料
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」短期入所生活介護:目的(孤立感の解消や心身機能の維持回復、家族の介護の負担軽減)、提供する施設、内容、使う場面、連続利用は30日まで。2026年9月確認 リンク
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」短期入所療養介護:目的、提供する施設(医療機関、介護老人保健施設、介護医療院)、医療・看護・機能訓練などを提供すること、対象(要支援1・2、要介護1〜5)、連続利用は30日まで。2026年9月確認 リンク
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」サービスにかかる利用料:自己負担は1割(一定以上所得者は2割または3割)、居住費・食費・日常生活費の負担、支給限度額と超えた分の扱い、補足給付と高額介護サービス費があること。2026年9月確認 リンク
- 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」:地域の介護事業所を調べられること。2026年9月確認 リンク
- 福祉医療機構(WAM NET)「介護予防短期入所生活介護」:要支援1・2の方が利用できること、食事・入浴・排泄の介助と機能訓練などを行うこと。2026年9月確認 リンク
- 宇都宮市「短期入所サービスの連続利用等」:30日を超える利用は認められず全額自己負担になること、保険を使える日数は認定有効期間のおおむね半数を超えないこと、半数を超えるときの手続き。2026年9月確認 リンク
- 函南町「認定有効期間のおおむね半数を超える短期入所サービスを利用するときは」:半数の計算の考え方(認定有効期間の日数を2で割る)、半数を超えて認められても連続30日の上限は変わらないこと。2026年9月確認 リンク
- 厚生労働省「補足給付(特定入所者介護サービス費)」の資料:低所得の方の食費・居住費を軽くする仕組みで、短期入所も対象になること、申請先は市町村の介護保険の窓口で、預貯金の額も要件の一つであること。2026年9月確認 PDF
- 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1506」(令和8年5月29日):2026年8月からの食費・居住費の基準の見直し。2026年9月確認 PDF
この記事は一般的な内容です。日数のきまりや手続き、費用は、市区町村や施設によって違い、変わることもあります。最新の情報は、お住まいの市区町村、担当のケアマネジャー、利用する施設の窓口でご確認ください。