6分間歩行テストの計算と
カットオフ値一覧
予測値・%予測値/最小重要差30m・BODE指数・心不全の300m
歩いた距離と体格を入れると、予測値(Enrightらの式)、%予測値、正常下限との比較を表示します。主なカットオフ値も一覧にしています。入力した数値は、お使いの端末の外には送信されません。
監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)
対象:理学療法士・作業療法士などのリハビリ職、養成校の学生
計算する
年齢・身長・体重だけを入れると、予測値と正常下限が出ます。歩いた距離も入れると、%予測値が出ます
くらべる(任意):前回の結果、条件の記録
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6分間歩行距離のカットオフ値一覧
歩いた距離そのものの主なカットオフ値です。前回との差の目安は、下の別の表にまとめています。数値は各資料で確かめ、表は当サイトでまとめ直しています。くわしい条件は、リンク先の原典で確認できます。
| 値 | 使われ方・対象 | 出典 |
|---|---|---|
| 350m・250m・150m | COPDのBODE指数の区分(350m以上=0点、250〜349m=1点、150〜249m=2点、150m未満=3点) | Celliら(2004年) 論文 |
| 300m未満 | 左室機能が低下した心不全の方で、死亡や入院のリスクが高い群(6分間歩行ができない場合も含む) | Bittnerら(1993年、SOLVD) 論文 |
| 予測値−153m (男性) | 健康な成人での正常下限。予測値からこの分を引いた値より短ければ、平均より明らかに短い | Enright・Sherrill(1998年) 論文 |
| 予測値−139m (女性) | 同上 |
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変化の目安(前回との差)
| 差の大きさ | 対象 | 出典 |
|---|---|---|
| 30m(25〜33m) | 慢性呼吸器疾患の方で、意味のある変化(最小重要差)の目安 | ERS/ATSの基準(2014年) 論文 |
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予測式(Enright・Sherrill、1998年)
40〜80歳の健康な成人(男性117人、女性173人)から作られた式です。中央値は男性576m、女性494mでした。
- 男性:予測値(m)= 7.57 × 身長(cm) − 5.02 × 年齢 − 1.76 × 体重(kg) − 309
- 女性:予測値(m)= 2.11 × 身長(cm) − 2.29 × 体重(kg) − 5.78 × 年齢 + 667
上の計算するの欄で、年齢・身長・体重だけを入れると、予測値と正常下限を計算できます。
この式は日本人以外を対象に作られたもので、体格の違いから、そのまま当てはめると差が出ることがあります。%予測値は目安として使い、同じ人の経過をみるときは実測値の変化で比べるのが確実です。
測り方の要点
- コース:原法(ATSの手順)では、屋内のまっすぐな30mの通路を往復します。コースが短いほど方向転換が増え、距離は短くなりやすいため、毎回同じコースで測ります。
- 教示:「6分間で、できるだけ長い距離を歩いてください」と伝えます。走らないこと、つらければ止まって休んでよいこと、休んでいる間も時間は進むことを説明します。
- 声かけ:1分ごとに決められた言葉で伝えるのが原法です。励ましの言葉を足すと距離が変わるため、毎回同じ言い方にそろえます。
- 記録:歩いた距離、休んだ回数と時間、中止した理由、補助具、酸素の有無と流量、テスト前後の脈拍・SpO2・息切れと下肢のつらさ(Borgスケール)を記録します。
- 中止の判断:強い胸の痛み、耐えられない息切れ、ふらつき、冷や汗、顔色の悪さなどがあれば中止します。中止の基準と、緊急時の対応をあらかじめ決めておきます。
- 練習の影響:2回行うと2回目のほうが距離が延びることが知られています。比べるときは、回数の条件もそろえます。
測る前の確認と、途中の様子
6分間歩行は、負荷が高い評価です。始める前に、心臓や呼吸への負荷とバイタルサインを確かめます。また、過度な息切れや呼吸の苦しさなどの自覚症状があれば中止することを、ご本人にあらかじめ説明してから始めます(中止の基準は、上の「中止の判断」)。
距離のほかに、次のことも見ます。
- 途中で休んだか
- 歩く速さが落ちていないか
- 息切れや脈の変化、ふらつきなど
よくある質問
%予測値は、どのくらいから低いと考えますか?
一つに決まった基準はありません。Enrightらの報告では、予測値から男性153m、女性139mを引いた値が正常下限とされています。%予測値だけで判断せず、実測値、症状、ほかの検査とあわせてみます。
短いコースで測ってもよいですか?
原法は30mのコースです。短いコースでは方向転換が増えて距離が短くなるため、カットオフ値や予測値と比べるときは注意が必要です。施設内で同じコースを使い続け、経過をみる目的で使うのが現実的です。
途中で休んでも、距離はそのまま記録しますか?
はい。6分間で歩けた合計の距離を記録し、休んだ回数と時間もあわせて残します。
出典・参考にした資料
- Enright PL, Sherrill DL. Reference equations for the six-minute walk in healthy adults. Am J Respir Crit Care Med. 1998;158:1384-1387.:男女別の予測式、正常下限(男性−153m、女性−139m)、中央値(男性576m、女性494m) 論文
- Holland AE, et al. An official European Respiratory Society/American Thoracic Society technical standard: field walking tests in chronic respiratory disease. Eur Respir J. 2014;44:1428-1446.:最小重要差30m(25〜33m)、測り方の標準 論文
- Celli BR, et al. The body-mass index, airflow obstruction, dyspnea, and exercise capacity index in chronic obstructive pulmonary disease. N Engl J Med. 2004;350:1005-1012.:BODE指数の6分間歩行距離の区分 論文
- Bittner V, et al. Prediction of mortality and morbidity with a 6-minute walk test in patients with left ventricular dysfunction. JAMA. 1993;270:1702-1707.:300m未満の群で死亡・入院が多かったこと 論文
- ATS Committee on Proficiency Standards for Clinical Pulmonary Function Laboratories. ATS statement: guidelines for the six-minute walk test. Am J Respir Crit Care Med. 2002;166:111-117.:30mのコース、教示、1分ごとの声かけ、記録する項目、中止の基準 論文