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30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)の
カットオフ値と年齢別の基準値

30-second Chair Stand Test(CS-30)/30秒イス立ち上がり/下肢筋力・転倒のおそれ・サルコペニア

30秒間に立ち座りできた回数と、年齢・性別を入れると、年齢別の基準値との関係がわかります。A4の記録用紙(PDF)もダウンロードできます。入力した数値は、お使いの端末の外には送信されません。

監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)

対象:理学療法士・作業療法士などのリハビリ職、養成校の学生

CS-30のカットオフ値・年齢別の基準値の早見 くわしい表と出典を見る 対象者と測り方で数字は変わるため、1つの回数だけで決めず、同じ条件の経過とあわせてみます。

判定する

A4の記録用紙(PDF)をダウンロード回数・年齢・椅子の高さの記入欄、測り方の要点、年代別の目安つき。印刷して、現場でペンで記入できます。記録用紙をダウンロード(PDF)
用紙の見本を見るCS-30記録用紙の見本(A4・回数と条件の記入欄、測り方の要点、年代別の目安つき)画像を押すと拡大します
歳
回
年齢・性別・回数を入れると、ここに判定が出ます。

CS-30の年齢別の基準値とカットオフ値

CS-30は、座面の高さが決まった椅子で、30秒間に立ち座りした回数を数える検査です。回数が多いほど、下肢の筋力が保たれていると考えられます。測り方や対象者が資料ごとに違うため、くわしい条件は原典で確認できます。

年齢別・男女別の目安(CDC STEADI、60〜94歳)

この回数より少ないと「平均より下」とされ、CDCの用紙では転倒のリスクを示す目安とされています。座面の高さは約43cm(17インチ)、腕は胸の前で組み、腕を使って立った場合は0回と記録します。

年齢男性女性
60〜64歳14回未満12回未満
65〜69歳12回未満11回未満
70〜74歳12回未満10回未満
75〜79歳11回未満10回未満
80〜84歳10回未満9回未満
85〜89歳8回未満8回未満
90〜94歳7回未満4回未満

出典:CDC STEADI「30-Second Chair Stand」(2017年)。用紙(PDF)

日本の外来高齢者の年齢別5段階(65歳以上)

循環器の病院の生活習慣病の外来に通う65歳以上の1,753人(男性1,114人・女性639人、半数以上が虚血性心疾患の方。ペースメーカーを使っている方などを除く)を、年齢・性別ごとに回数で5つに分けたものです。高さ40cmの台に座り、腕を胸の前で組み、動作の途中で終わった回数も1回と数えています。対象は単一の病院の外来の方で、地域の高齢者全体の基準ではありません。

男性 (30秒間の回数。≦は以下、≧は以上)

年齢
(歳)
非常に
弱い
弱い普通良好非常に
良い
65–69≦1920–2223–2728–30≧31
70–74≦1718–2122–2526–29≧30
75–79≦1617–1920–2324–26≧27
80–84≦1415–1718–2223–25≧26
85〜≦1314–1516–2021–22≧23

女性 (30秒間の回数。≦は以下、≧は以上)

年齢
(歳)
非常に
弱い
弱い普通良好非常に
良い
65–69≦1718–1920–2425–27≧28
70–74≦1617–1920–2324–26≧27
75–79≦1415–1819–2122–24≧25
80–84≦1314–1617–1920–24≧25
85〜≦1213–1516–1920–23≧24

出典:岩﨑孝俊ら、理学療法学 53(2):103-110、2026年。段階が上がるほど、基本チェックリストでフレイルとされた人の割合が低くなる関係が報告されています。論文

サルコペニアのカットオフ値

回数内容・対象出典
女性15回
男性17回
募集に応じて参加した、地域で暮らす65〜97歳の日本人678人(女性443人・男性235人。医師が検査は難しいと判断した方などを除く)で、AWGS 2019のサルコペニアを見つけるのに最適とされた回数。感度・特異度は、女性で76.4%・76.8%、男性で75.0%・71.7%。高さ40cmの椅子で、腕を使わずに測定Sawadaら(2021年)
論文

表は横にスクロールできます

CS-30は「椅子から立ち座りする力」をみる検査で、日常で実際に転ぶかどうかとは別です。目安や基準値は、対象者や測り方によって違い、一つの回数だけでは転倒のリスクやフレイルを決められません。椅子や台が高いほど30秒間の回数は増え、身長の影響も受けるという報告があるため、椅子の高さを記録しておくと比べやすくなります。同じ条件で測った回数を前回と比べて、経過をみるのに向いています。

測り方の要点

  1. 椅子:背もたれがあり、肘掛けのない椅子を使います。座面の高さは、CDCの用紙では約43cm(17インチ)、日本の研究では40cmの台が使われています。壁などに寄せて動かないようにします。
  2. 姿勢:椅子の真ん中に座り、足の裏を床につけ、腕は胸の前で交差します。
  3. 数え方:「はじめ」の合図で、完全に立ち上がって座ることをくり返し、30秒間の回数を数えます。CDCの用紙では、30秒の終わりに半分以上立っていれば1回と数えます。
  4. 腕を使ったとき:腕を使って立つときは、CDCの用紙ではテストを中止し、0回と記録します。
  5. 安全に配慮する:検者は、すぐ支えられる位置に立ちます。条件(椅子の高さ・腕の使い方)を記録して、次回も同じ条件で測ります。

測る前に、体の負荷を確かめる

30秒椅子立ち上がりテストは、評価としての負荷がそれなりに高いテストです。そのため、先に心臓や呼吸への負荷、耐久性などを評価し、問題がないことを確かめてからこのテストを行います。

よくある質問

CS-30の年齢別の基準値は、どれを使えばよいですか?

目的によって向いているものが違います。転倒のおそれをみるなら、60〜94歳の年齢別・男女別の回数があるCDCの目安。65歳以上の方の体力の位置づけをみるなら、日本の外来高齢者の5段階(岩﨑ら、2026年)。サルコペニアの疑いをみるなら、女性15回・男性17回(Sawadaら、2021年)が使われています。日本では、中谷らが2003年に作った年齢別の標準値も広く使われてきました。ただ、20年以上前に地域で暮らす自立した高齢者をもとに作られたもので、岩﨑らの研究では、今の外来高齢者の34.5%がいちばん良い段階に入ったと報告されています。どれを使うかを決めて、毎回同じ基準と測り方で比べるのが基本です。

CS-30と、5回椅子立ち上がりテストは、どう違いますか?

CS-30は、30秒間に何回立ち座りできるかを数えます(回数が多いほど良い)。5回椅子立ち上がりテストは、5回立ち座りするのにかかる時間を測ります(時間が短いほど良い)。サルコペニアのAWGS 2019では5回椅子立ち上がりが使われ、12秒以上が身体機能の低下の目安です。くわしくはサルコペニアの判定ページで確認できます。

海外の目安(CDC)と、日本の5段階で、数字が違うのはなぜですか?

測った人の集団と、測り方が違うためと考えられます。CDCの用紙は座面の高さが約43cm(17インチ)で、30秒の終わりに半分以上立っていれば1回と数えます。日本の5段階(岩﨑ら、2026年)は、生活習慣病の外来に通う65歳以上の1,753人を対象に、高さ40cmの台で測り、動作の途中で終わった回数も1回と数えています。どちらかに決めて、毎回同じ条件で測り、前回と比べるのが基本です。

腕を使わないと立てない人は、どう記録しますか?

CDCの用紙では、腕を使って立った場合はテストを中止し、0回と記録します。ただし、0回は「立ち座りの力がない」という意味とは限りません。腕を使って立てたこと、椅子の高さ、途中でやめた理由をメモに残し、次回も同じ条件で測ると、経過を比べやすくなります。

出典・参考にした資料

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