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握力の判定と
カットオフ値一覧

サルコペニア(AWGS)・フレイル(J-CHS)・EWGSOP2の基準値

握力の値と年齢・性別を入れると、主なカットオフ値との関係をまとめて表示します。入力した数値は、お使いの端末の外には送信されません。

監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)

対象:理学療法士・作業療法士などのリハビリ職、養成校の学生

判定する

kg
性別
年齢
握力を入れると、ここに判定が出ます。

握力のカットオフ値一覧

握力の主なカットオフ値です。数値は各資料で確かめ、表は当サイトでまとめ直しています。くわしい条件は、リンク先の原典で確認できます。

基準男性女性使われ方
AWGS 2025(65歳以上)28kg未満18kg未満サルコペニアの「筋力低下」。2025年版は、筋肉量の低下と筋力の低下の両方でサルコペニアと診断する
AWGS 2025(50〜64歳)34kg未満20kg未満中年期の基準として新たに示された値
AWGS 201928kg未満18kg未満サルコペニアの「筋力低下」。地域や診療所では、この筋力低下だけで「サルコペニアの可能性」とする
J-CHS 2020(フレイル)28kg未満18kg未満フレイルの判定項目の1つ(5項目のうち3項目以上でフレイル)
EWGSOP2(ヨーロッパ)27kg未満16kg未満サルコペニアの「筋力低下」。ヨーロッパの基準

表は横にスクロールできます

AWGSは Asian Working Group for Sarcopenia(アジアサルコペニアワーキンググループ)、EWGSOP2は European Working Group on Sarcopenia in Older People 2(高齢者のサルコペニアに関するヨーロッパ作業部会の第2版)、J-CHSは日本版CHS基準(Cardiovascular Health Study の日本版)の略です。AWGSは、欧米の基準がアジアの高齢者の体格に合わないことから、アジア各国の研究者が集まって基準を作った作業部会です(くわしくはサルコペニアのページ)。

AWGS 2025の筋肉量のカットオフ値(BIA・DXA)は、原典で確認するのがおすすめです。当サイトでは、握力のカットオフ値のみを載せています。

握力から分かること(研究)

握力が、サルコペニアやフレイルの基準で「筋力」の代表として使われているのは、測るのが簡単なだけでなく、全身の筋力や将来の健康と関係することが報告されているためです。

全身の筋力・身体機能との関係

地域に住む女性高齢者265人(平均73歳)を対象にした日本の研究では、握力と次の項目に有意な相関がありました。

項目相関係数
大腿四頭筋筋力r=0.59
足把持力r=0.53
片足立ち保持時間r=0.36
最大歩行速度r=0.36
TUGr=−0.31
6分間歩行距離r=0.30
10m障害物歩行r=−0.29

相関係数の見方(目安)

相関係数(絶対値)関係の強さ
0.7〜1.0強い
0.4〜0.7中くらい
0.2〜0.4弱い
0.2未満ほとんど関係がない

区切り方は文献によって多少違います。マイナスの値は「一方が大きいほど、もう一方は小さい」という関係で、TUGや10m障害物歩行のように、速いほど値が小さくなる指標で出てきます。また、相関係数を2乗すると、片方の値のばらつきをもう一方でどれくらい説明できるかの目安になります(r=0.59なら約35%、r=0.30なら約9%)。握力だけで下肢の筋力が分かるわけではない、という見方ができます。

いずれもp<0.01。長座体前屈(柔軟性)とは有意な相関が認められませんでした。著者らは、握力の測定は下肢筋力・立位バランス・応用的な歩行能力までを含めた全身的な体力を反映する、簡便で有用な方法だとしています(池田ら、2011年)。

将来の健康との関係

相関があることと、握力を鍛えれば結果が変わることは別の話です。握力は「全身の状態を映す簡単な指標」として使い、対応は原因に合わせて考えます。

測り方の要点

  1. 握力計の種類と姿勢:AWGSの基準では、スメドレー式(ばね式)とジャマー式(油圧式)のどちらでもよいとされています。スメドレー式は立位で、肘を伸ばして体の横に下ろした姿勢、ジャマー式は座位で、肘を90度に曲げた姿勢で測ります。前腕と手首は中間の向きにします。
  2. 回数:左右それぞれ2回ずつ測り、最大値を使います。
  3. 握りの幅:スメドレー式は、人さし指の第2関節がほぼ直角になるように握り幅を合わせます。ジャマー式は、握る棒の位置を段階で選べます(研究では2段目が使われることが多い)。機種と握り幅がそろっていないと値が変わるため、必ず記録します。
  4. 控える場合:手指や手関節の痛み、手術の直後、関節リウマチの活動期などでは、無理に測りません。
  5. 記録:姿勢(立位・座位)、機種、左右、回数をそろえ、次回も同じ条件で測ります。

測るときの姿勢と、行わない場合

握力では、正しい姿勢で測れているかが大切です。姿勢が崩れると、本来の値が出ません。

次の場合は、握力の測定を行わない目安にします。

  • 麻痺があり、分離が不十分な状態のとき(筋力としては、基本的に測りません)
  • 測る手に痛みがあるとき

よくある質問

左右どちらの値を使いますか?

AWGSの基準では、左右で測った中の最大値を使います。左右差そのものも、麻痺や痛みの評価では意味のある情報になります。

スメドレー式とジャマー式の違いは?

スメドレー式はばねの力で測る型で、日本の体力テストや臨床で広く使われています。ジャマー式は油圧式で、海外の研究で多く使われています。同じ人でも機種によって値が違うことがあるため、経過をみるときは同じ機種でそろえます。

日本の年代別の平均値は載せていますか?

スポーツ庁の体力・運動能力調査で、年代別・男女別の平均が公表されています。数値を確かめたうえで、このページにも追加する予定です。

出典・参考にした資料

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