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リハビリの計画書を渡されたら:見る順番と、担当者に聞くこと入院中のリハビリで渡される計画書。どこに何が書いてあるか、点数の意味、担当者に聞くとよいこと

監修:やまねこ(運動器認定理学療法士・リハビリテーション科主任)
公開日:2026年10月11日/最終確認日:2026年10月11日

この記事は、入院中のリハビリについて病院から「計画書」を渡され、どこを見ればよいのか、点数は何を表すのかと戸惑うご家族に向けて書きました。国の様式の実物に番号をつけて、どこに何が書いてあるかと、見る順番、担当者に聞くとよいことをお伝えします。

この記事のポイント
  • 計画書は、入院中のリハビリの目標と、いまの状態、これからの進め方を、ご本人とご家族に伝える書類です
  • 最初に見るのは、点数より、目標と、ご本人・ご家族の希望の欄がおすすめです
  • 日常生活の点数は、BI か FIM のどちらかで書かれます。BI は「できること」、FIM は「していること」で点をつけます
  • 合計点より、項目ごとの「開始時→現在」を見ます
  • 担当者に聞くなら、「リハビリをして何が変わったか」と「目標は何か」が中心です

1. 計画書とは:どこに何が書いてあるか

病院のリハビリでは、ご本人の状態を評価して、目標とリハビリの進め方を書面にまとめ、ご本人やご家族に説明します。その書面が計画書で、正式には「リハビリテーション実施計画書(総合実施計画書)」などと呼ばれます。書式は国が定めた様式があり、病院や病棟によって、書式や使うことばが少し違うことがあります。

国の様式は、1ページ目に、体の状態、日常生活の点数、目標が書かれます。2ページ目は「総合実施計画書」として使うときに書く面で、ご本人・ご家族の希望、家での生活、退院後のことが書かれます。渡される計画書が、1ページだけのこともあります。

1ページ目

目標の欄は、1ページ目の下のほうにあります。

リハビリテーション実施計画書(総合実施計画書)の1ページ目。欄ごとに番号をつけた図123345678910

国の様式(記入前)。画像を押すと、大きく見られます

番号欄書かれること
1目標(今後1か月以内)この1か月で目指すこと
2目標(退院時または終了時)退院までに目指すこと。1か月の目標と同じときは、省略されます。この欄の中に、予定入院期間と退院先を書く場所があります
3治療方針・治療内容リハビリの進め方と、理学療法・作業療法・言語聴覚療法のどれを行うか
4心身機能・構造麻痺、筋力の低下、関節の動きの制限、痛み、飲みこみ、記憶や注意の状態など。当てはまるものだけ
5基本動作寝返り、起き上がり、立ち上がり、座っていること、立っていることを、自立・一部介助・介助・非実施で
6日常生活活動(動作)食事、整容、入浴、更衣、トイレ、移乗、歩行などの点数。FIM と BI の列があり、「開始時→現在」の点数を書きます
7使用用具及び介助内容等使っている道具と、どんな介助をしているか
8前月と比較した当月の患者の状態前の月からの変化。リハビリの期間が標準の日数を超える場合は、必ず書く欄です
9社会保障サービスの申請状況介護保険の要介護度や、障害者手帳などの申請の状況(該当する場合)
10説明日・説明者計画書の説明を受けた日と、説明した人

2ページ目

リハビリテーション総合実施計画書の2ページ目。欄ごとに番号をつけた図111213141516171819

国の様式(記入前)。画像を押すと、大きく見られます

番号欄書かれること
11これまでのリハビリ、障害の受け止め、本人・家族の希望等これまでの経過と、ご本人・ご家族の希望
12参加(目標)居住場所、復職、就学、家庭内役割、社会活動、趣味など。暮らしの中での役割や過ごし方
13活動(目標)床上移動、屋内・屋外の移動、自動車運転、トイレ、食事、整容、更衣、入浴、家事、書字、パソコン・スマートフォン、コミュニケーションなど。動作そのもの
14参加・活動等の目標に向けた具体的なアプローチ12・13の目標のために、何をするか
15住環境福祉用具や住宅改修が必要な場合に書きます。下に、退院前訪問指導の必要性と、外出・外泊の計画を書く場所があります
16自宅等での食事の留意点食べやすい形や、姿勢など
17本人・家族への指導内容(自主トレ含む)、病棟生活における訓練のポイント等家で行うこと、介助の方法、練習のポイント
18介護保険サービス又は障害福祉サービスとの連携退院後に、介護保険のリハビリサービスなどを使う予定があるとき
19退院後の生活の注意点、退院後のリハビリテーションの必要性退院後の生活で気をつけることと、リハビリを続ける必要があるか

2. 最初に見る欄:目標と、ご本人・ご家族の希望

点数や専門用語が並んでいて目が止まりやすいのですが、まず見るのは「目標」の欄(図の1・2)がおすすめです。目標を見ると、どの動作を練習し、家でどう過ごすことを目指しているのかがわかります。

目標の欄

目標は2つの欄に分かれています。

目標の下には、リハビリの方針と、実施する内容の欄(図の3)があります。目標に向けて、どんなリハビリをするのかが書かれます。

「参加」と「活動」

2ページ目がある場合は、目標が「参加」(図の12)と「活動」(図の13)に分けて書かれます。

欄書かれること
参加(目標)暮らしの中での役割や過ごし方。居住場所、復職、就学、家庭内の役割、社会活動、趣味など
活動(目標)動作そのもの。床の上での移動、屋内・屋外の移動、トイレ、食事、入浴、家事など

動作の目標だけでなく、家での役割や趣味を書く欄があることがわかります。「台所に立ちたい」「また畑に出たい」といった希望があれば、担当者に伝えておくのがおすすめです。

ご本人・ご家族の希望の欄

2ページ目の最初(図の11)に、これまでのリハビリの様子や、障害の受け止め方、ご本人・ご家族の希望を書く欄があります。ご本人が何をしたいのか、ご家族が何に困りそうかは、目標を決める材料になります。書かれている内容が、実際の希望と合っているかを見ておくと安心です。

3. 体の状態と、基本動作の欄

心身機能の欄(図の4)

麻痺、筋力の低下、関節の動きの制限、痛み、飲みこみ、見え方や聞こえ方、記憶や注意の状態など、当てはまるものだけが書かれます。動作が難しくなっている理由を知る手がかりになります。

基本動作の欄(図の5)

次の動作を、自立・一部介助・介助・非実施(行っていない)から選んで書きます。

見るときのこつは、「一部介助」の中身を聞くことです。たとえば、起き上がりの「一部介助」には、背中に手を添える程度から、体を支え続ける場合まで幅があります。どこを、どのくらい手伝うのかを聞くと、退院後の介助がイメージしやすくなります。

4. 日常生活の点数の欄(BI・FIM)

日常生活の動作(食事、トイレ、入浴、更衣、移乗、歩行、階段など)を点数にした欄です(図の6)。様式には、「BIまたはFIMのいずれかを必ず記載すること」とあります。病院によって、どちらかが使われます。

BI と FIM の違い

いちばん大きな違いは、BI は「できること」、FIM は「していること」で点をつけることです。練習の場面でできる動作と、病棟でふだんしている動作は、違うことがあります。

BI(Barthel Index)FIM
点をつけるものできることしていること
項目の数10項目18項目(運動13+認知5)
運動の項目食事、移乗、整容、トイレ動作、入浴、歩行、階段、更衣、排便、排尿食事、整容、清拭・入浴、更衣(上半身・下半身)、トイレ、排尿、排便、移乗(ベッド・椅子・車椅子、トイレ、浴槽・シャワー)、歩行・車椅子、階段
認知の項目なしあり(理解、表出、社会的交流、問題解決、記憶)
1項目の点数0・5・10・15点(項目によって違う)1〜7点(7段階)
点数の範囲0〜100点運動13〜91点、認知5〜35点、合計18〜126点
点数の見方どちらも、点数が高いほど、介助が少ない状態です
計画書での書き方右の列。更衣(上・下)や移乗(3か所)、歩行・車椅子は、まとめて1つの点で書く左の列。項目ごとに書く

計画書にはFIM と BI の列が並んでいます。どちらかを書く決まりなので、使われていないほうの列は、空いていることがあります。

見るのは「開始時→現在」

点数の欄は、開始時から現在への変化が書かれます。合計点だけを見るより、どの項目が変わったか、変わっていないかを見るのがおすすめです。合計点が同じでも、どの動作で介助が要るかは、人によって違います。

項目の横には、「使用用具及び介助内容等」の欄(図の7)があります。杖や手すりなどの道具や、どんな介助をしているかが書かれる欄です。家で必要になる道具や介助のヒントになります。

点数の欄の下には、前の月と比べた、今月の状態を書く欄(図の8)もあります。リハビリの期間が長くなった場合などに書かれる欄です。

BI の10項目と、点数ごとの基準は、次のページにまとめています。

関連ツール バーセルインデックス(Barthel Index)の点数表 10項目を選ぶと、合計点(100点満点)を計算します。各項目の基準の文と、記録用紙(PDF)も使えます。

5. 退院後のことの欄

退院後の生活に関わる欄は、おもに次のものです。

図欄見ること
2予定入院期間・退院先退院の時期と、退院する先(自宅、施設など)の見込み
9要介護状態区分など介護保険の申請や認定の状況(申請の流れ)
15住環境福祉用具の導入や、住宅改修が必要かどうか(住宅改修の申請)。退院前訪問指導の必要性も、ここに書く場所がある(家屋調査)
16自宅等での食事の留意点食べやすい形や、姿勢など
17本人・家族への指導内容自主トレ、介助の方法など、家で行うこと
18介護保険サービスとの連携退院後に使う予定のリハビリサービス(訪問リハと通所リハ)
19退院後の生活の注意点、退院後のリハビリの必要性退院後の生活で気をつけることと、リハビリを続ける必要があるか

これらの欄は、入院している病棟などによって、書かれないこともあります。気になる項目があれば、担当者に聞いてみるのがおすすめです。

6. 担当者に聞くとよいこと

計画書のすべてを理解する必要はありません。次の2つを軸にすると、話がしやすくなります。

中心になる2つの質問
  • リハビリをして、何が変わりましたか?(開始時→現在で、動作や点数が変わったところ)
  • いまの目標は何ですか?(1か月の目標と、退院時の目標。そのために何を練習しますか)

そのうえで、必要に応じて次のことを聞くと、退院後がイメージしやすくなります。

専門用語や略語がわからないときは、そのまま聞いてみるのがおすすめです。退院前の話し合いでは、退院前カンファレンスで確認したいことも参考になります。脳卒中の方の退院は、脳卒中の親が退院するときに、病院で聞いておくことをまとめています。

出典・参考にした資料

計画書の書式や、記入される内容は、病院によって異なります。ご本人の計画書の内容は、担当の医師やリハビリの担当者に確認するのがおすすめです。